前期損益修正益の仕訳について
前期の売上計上漏れが判明して翌期に前期損益計上益を計上する場合の仕訳について教えてください。
一般的には売掛金/前期損益修正益
かと思いますが、既に売掛金回収済みの場合や回収済みの現預金を使ってしまっている場合はどういう仕訳になりますか?
税理士の回答
結論
売上計上漏れは「前期の売上が増える誤謬」なので、翌期に“前期損益修正益”で必ず訂正します。回収済みかどうかは関係なく、仕訳は常に「収益(前期損益修正益)」と“本来の入金形態”を対応させるだけです。
したがって、
未回収だった → 売掛金/前期損益修正益(一般形)
すでに現金で回収済み → 現金/前期損益修正益
すでに銀行振込で回収済み → 普通預金/前期損益修正益
回収済みのお金を使ってしまっていても → 仕訳は同じ(現金 or 預金/前期損益修正益)
お金を使ってしまったかどうかは「会計処理には全く関係しません」。
理由
ポイントは以下の2点です
① 売掛金の回収日は“売上計上日ではない”
売上漏れは 前期の利益が過小だったという誤謬 に該当するため、翌期で
前期損益修正益を使って訂正します。
② 実際のお金の回収は「相手勘定だけ変わる」
売掛金が未回収か、すでに回収済みかで、借方が売掛金になるか現金・預金になるかが違うだけです。前期分の売上であることには変わらないので、貸方は必ず前期損益修正益になります。
実務仕訳
ケース①:未回収だった
(借)売掛金 〇〇〇 (貸)前期損益修正益 〇〇〇
ケース②:すでに現金で受け取っていた
(借)現金 〇〇〇 (貸)前期損益修正益 〇〇〇
ケース③:すでに銀行振込済み(預金で回収済み)
(借)普通預金 〇〇〇 (貸)前期損益修正益 〇〇〇
ケース④:回収済みのお金をすでに使ってしまった
→ 仕訳はケース②・③と同じです。
「使ってしまった」は資金繰りの問題であって、会計処理には影響しません。
本投稿は、2025年12月10日 19時33分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







