親会社による事業取得後、子会社へ事業譲渡する場合の会計・税務処理についてのご相談
下記のスキームにおける会計処理および税務処理について、ご確認・ご教示いただきたく存じます。
【取引の概要】
① 親会社が第三者から事業を取得
・取得対価:3,500万円
・取得資産:1,000万円
・引受負債:500万円
(差額として、のれん3,000万円が発生)
② 取得時点では、譲受先となる会社は親会社との間に資本関係がなく、兄弟会社の関係にあります。
当該兄弟会社は、資本金300万円で設立されたばかりの法人です。
③ その後、事業譲渡を行う前に、当該兄弟会社を親会社の100%子会社とします。
④ 子会社化後、親会社が取得した事業一式(資産・負債・のれんを含む)を当該子会社へ無償譲渡する予定です。
【ご相談事項】
1、上記③→④の流れの場合、
親会社から子会社への事業譲渡は「共通支配下の取引」として、会計上は簿価引継ぎ処理で問題ないか。
2、親会社で計上したのれんについて、
子会社へ引き継ぐ場合の会計処理および税務上の取扱い(償却期間等)。
3、税務上、親会社→子会社への事業譲渡について. 時価課税や譲渡損益認識の要否、留意点があればご教示いただきたい。
税理士の回答
親会社から100%子会社への無償事業譲渡は、会計上共通支配下の取引として簿価引継ぎが可能で、税務上は時価課税と寄付金認識が発生します。
国税庁HPでは組織再編税制(適格要件満たす場合の簿価譲渡非課税)が事業譲渡単独では適用外のため、無償譲渡は法人税法基本通達に基づき時価処理となります。
1. 共通支配下取引の会計処理
③の子会社化後④の譲渡は、親子関係成立時点で「共通支配下の取引」(企業結合会計基準第23号・結合分離適用指針223項)に該当し、個別財務諸表で簿価引継ぎ(資産1,000万円、負債500万円、のれん3,000万円を簿価移転)が可能です。
当初兄弟関係のため譲渡前に支配関係継続要件は満たしますが、子会社化直後のため実務上問題なく適用されます。
連結上は内部消去処理。
2. のれんの会計・税務処理
会計上、簿価引継ぎで子会社に3,000万円のれんを移転し、子会社で20年以内の合理的な期間(定額法等)で償却(企業会計基準21号)。
税務上、親で計上したのれん(資金生産勘定)は譲渡時時価(簿価相当)で譲渡益なし、子会社で取得時から5年償却(法人税法施行令178条)。
国税庁タックスアンサーNo.5405「のれんの償却限度額」で5年定額確認。
3. 税務上の事業譲渡処理
無償譲渡のため、親会社は時価(純資産価額等、資産1,000万-負債500万+のれん3,000万超で市場価額)で譲渡したとみなし、時価超過分を寄付金(損金不算入限度額あり、法人税法37条)。
子会社は時価で資産取得、受贈益(益金)計上。消費税非課税(対価なし)。留意点:時価算定(不動産等は路線価等)、寄付金限度額超過分課税、完全支配関係下資産譲渡特例適用可否確認(譲渡損益調整資産に限る)。
国税庁法人税基本通達11-1-12「低額譲渡」で時価乖離調整根拠。
詳しく回答ありがとうございます。
最終的には時価で認識し、親会社は寄付金、子会社は受贈益ということでしょうか。
これはグループ通算していても認識するということでしょうか。
相談者様のご認識の通りでございます。
本投稿は、2026年01月27日 22時49分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







