生命保険借入金の処理方法
会社の生命保険について、保険会社から解約返戻金の範囲内で借入を行いました。
当該借入は、収入として処理すればよろしいでしょうか。
税理士の回答
辰見浩一
ご質問のケースでは、保険会社からの契約者貸付は、通常は収入ではなく借入金として処理することになると思います。
契約者貸付は、解約返戻金を受け取ったのではなく、解約返戻金の範囲内で保険契約を担保に資金を借り入れている形です。そのため、会計上は借入金として処理し、返済時には元本と利息を区分して処理するのが一般的です。解約返戻金そのものを受け取った場合とは性質が異なりますので、借入時点で益金や雑収入として計上するものではないと考えます。保険会社でも、契約者貸付は解約返戻金の一定範囲内で行う貸付制度として案内されています。
結論から申し上げますと、解約返戻金の範囲内で行った借入(契約者貸付制度)は、収入(収益)ではなく「借入金(負債)」として処理します。収入として処理する必要はありません。
税務上の理由と会計処理(仕訳)、および注意点を整理いたしました。
【1. 収入にならない理由】
保険会社からの解約返戻金相当額の借入は、税務上・会計上「保険契約者貸付(契約者貸付)」と呼ばれる融資取引に該当します。将来の解約返戻金や保険金を担保に保険会社からお金を借りている状態(返済義務のある負債)であるため、会社の利益や収入(益金)にはならず、課税対象にもなりません。
【2. 会計処理(仕訳例)】
① 借入時(入金時)
(借方)普通預金 〇〇円 /(貸方)短期借入金(または保険契約者貸付金) 〇〇円
② 利息を支払った場合
契約者貸付には通常利息が発生します。利息を支払った場合は「支払利息」として損金(経費)処理します。
(借方)支払利息 〇〇円 /(貸方)普通預金 〇〇円
【3. 解約・満期時の注意点】
借入金を返済しないまま保険を解約した場合や、保険が満期を迎えた場合は、受け取る解約返戻金や満期保険金から「借入金本体とその利息」が相殺(差し引き)されて入金されます。
その相殺された時点で、資産計上している保険料積立金等との差額が「雑収入」などとして益金(課税対象)化されることになります。
したがって、借り入れた時点では「借入金」として処理し、収入には含めないようご注意ください。
ご参考にしていただけましたら幸いです。
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本投稿は、2026年09月10日 10時23分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







