役員報酬の支給について
3月決算の法人の株式を買取り、令和8年10月より代表取締役に就任します。今の代表取締役は辞任し私が代表取締役に就任します。
私への役員報酬は株主総会で令和9年1月から支給することを決めたいと考えておりますが、可能でしょうか。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答
私への役員報酬は株主総会で令和9年1月から支給することを決めたいと考えておりますが、可能でしょうか。
遡及はむつかしいでしょう。
役員報酬は無理でも、会社に就職して、9/1から給料を報酬と同じ金額でもどうでしょうか。
あるいは、9月中に就任すれば、役員の報酬は日数で計算しません。月ですので、可能でしょう。
荒川直宙
結論から申し上げますと、手続き上(会社法上)株主総会で令和9年1月からの支給開始を決定することは可能です。
しかし、税務上(法人税法上)は「就任時から時期をずらして支給を開始する取扱い」について実務上見解が分かれる部分があり、税務調査リスクを避ける観点から慎重な検討が必要な論点となります。
税務上の論点と、安全な実務対応策を整理いたしました。
【1. 税務上の論点(慎重な検討を要する理由)】
① 定期同額給与における「改定」の解釈
10月就任時に無報酬とし1月から支給を開始する場合、税務上「0円から途中増額改定した」とみなされると、不測の事態等の「臨時改定事由」がない限り損金不算入(経費にならない)とされるリスクが生じます。
② 理論上の捉え方と実務のグレーゾーン
一方で、「就任時点で0円と確定していたのではなく、就任後の初回の決定として1月から毎月同額で支給を開始する」と解釈すれば、定期同額給与として認められるという理論・実務上の見解も存在します。このように専門家の間でも解釈が分かれるグレーゾーンの高い論点となります。
【2. 税務リスクを避けるための安全な選択肢】
税務署との見解の違いによる否認リスクを確実に回避したい場合は、以下のいずれかの方法をとられることが最も安全です。
選択肢A:10月就任時からすぐに支給を開始する(最も安全)
就任月(10月)から毎月同額の役員報酬の支給を開始します。「就任時からの定期同額給与」として確実に損金算入が認められます。
選択肢B:当期(令和9年3月期)は無報酬とし、来期(令和9年4月期)から支給する
当事業年度(令和9年3月期まで)は無報酬とし、新事業年度となる令和9年4月1日(または期首から3ヶ月以内の定時株主総会)から支給を開始します。
【3. まとめ】
令和9年1月からの支給開始は理論上不可能なわけではありませんが、税務調査で指摘を受けるリスクをゼロにすることは困難です。安全な処理を行いたい場合は、10月就任時からの支給とするか、来期(4月)からの支給とされることを強くお勧めいたします。
ご参考にしていただけましたら幸いです。
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株主総会で決めること自体はできますが、税務上は10月の就任時から支給を始めるほうが安全です。
法人税で経費 (損金) になる役員報酬は、原則として毎月同額の定期同額給与です。3月決算の会社で期の途中の10月に代表者が交代するのは「役員の職制上の地位の変更」に当たり、この時点で報酬を決めて支給を始めれば、臨時改定事由による改定として認められます。
ところが10月から12月を0円にして1月から支給を始めると、1月の開始は期首から3か月を過ぎた改定で、1月に地位や職務の変更があるわけでもないため、定期同額給与に当たらないと見られるおそれがあります。その場合、1月から3月に支給した分が損金にならないリスクがあります。1月まで待ちたい事情があるなら、今期は無報酬で通し、来期の定時株主総会 (期首から3か月以内) で決めて4月以降から支給する形が確実です。
本投稿は、2026年09月11日 09時15分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







