定期同額給与に関して
3月末決算の合同会社(社員1名のみ)です。
従来、代表社員に月額30万円の役員報酬を支給していました。
6月10日に従来額30万円を支給した後、6月20日に役員報酬を月額35万円へ変更し、翌月分から適用することを決定しました。
その後、7月10日に35万円を支給し、以後毎月同額を支給しています。
この場合、6月20日の変更は、「事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3月を経過する日までにされた定期給与の額の改定」に該当し、7月10日以降の35万円について定期同額給与として全額損金算入できるでしょうか。
特に、3か月目の給与支給日を従来額のまま迎えた後であっても、3月経過日等までに改定を決定し、決定後最初に到来する支給日から新額を支給していれば通常改定として認められるかを確認したいです。
税理士の回答
山本快夫
お世話になります。
ご質問に対する回答)
↓
はい。質問者さまのケースも、6/20総会の決議という前提で、定期同額給与として認められます。
補足)
定期同額給与が制度化された当初、実務家の間でも疑問が生じましたが、下記の国税庁の見解が出されたことにより解決しました。
国税庁 役員給与に関するQ&A
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/qa.pdf#page=6
他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になりましたら幸いです。
◆7月10日支給分から35万円に変更して問題ありません
3月決算の場合、事業年度は4月1日から始まるため、通常の役員給与の改定は、原則として6月30日までに行う必要があります。
今回のケースでは、
・6月10日 30万円を支給
・6月20日 役員報酬を30万円から35万円へ変更することを決定
・7月10日 35万円を支給
・以後、毎月35万円を支給
とのことですので、6月20日の改定は「事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月を経過する日まで」に行われた改定に該当します。
したがって、6月10日までの30万円と、7月10日以降の35万円がそれぞれ同額で継続して支給されていれば、原則として定期同額給与として損金算入できます。
◆3か月目の支給日を過ぎていても問題ありません
今回のポイントは、「6月中に35万円を実際に支給しているか」ではなく、「6月30日までに役員給与の改定がされているか」です。
国税庁のQ&Aでも、3月決算法人が6月25日に役員給与の増額を決議し、6月30日の給与は従来額のまま支給し、7月31日から増額したケースについて、改定前と改定後の給与がそれぞれ同額であれば定期同額給与に該当するとされています。
そのため、ご質問のように、6月20日に改定を決定し、その後最初に到来する7月10日の支給日から35万円を支給する方法で差し支えないと考えます。
◆改定内容は書面で残しておきましょう
合同会社とのことですので、6月20日に
「代表社員の役員報酬を月額30万円から35万円に変更し、7月10日支給分から適用する」
と決定したことが確認できるよう、社員の決定書などを作成して保存しておくとよいでしょう。
早速ご回答いただきありがとうございます。こんなに早くご回答いただけると思っておらず、大変助かりました。
もう一点だけ確認させてください。
役員給与について、一般的には定時総会等で当期の役員報酬額を決定することから、3か月目まで従前の報酬額をそのまま支給していた場合には、当期の報酬額について改めて決議等をしていなくても、その従前額が当期の報酬額として確定したものと考え、3か月目に改めて通常改定の決議をすることはできない、という考え方についても目にしました。
今回のように、当期の報酬額についてそれ以前に改めて決議等をしておらず、従前額を継続していただけの場合でも、3月経過日等までに改定すれば通常改定として問題ないと考えてよいでしょうか。
お手数をおかけしますが、ご意見をお聞かせいただけますと幸いです。
山本快夫
はい、問題ないと考えます。
通常改定は、毎年所定の時期に通常改定すれば足りると考えますし、例えば臨時総会によって期首月からの改定も可能と考えます。
当期の報酬額について改めて決議等をしていなくても、その従前額が当期の報酬額として確定したものと考え...
↓
にはならないと考えます。
個人的には、毎年所定の時期の通常改定で、保守的に同額決定(変更なし決定)をおすすめしております。
宜しくお願い致します。
山本快夫
当期の報酬額について改めて決議等をしていなくても、その従前額が当期の報酬額として確定したものと考え...
↓
という解釈が理解できないのですが、
もし仮に、その解釈が正しいとして検討してみても、
4/10~ 前期と同じ額を支給したことにより従前額30万円として自動確定(1回目の改定)
6/20 35万円と通常改定(2回目改定)
7/10~ 35万円の支給
下記の国税庁の解説「複数回の改定が行われた場合の取扱い」に当てはめても損金不算入額は算出されません。
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/qa.pdf#page=10
あくまでも、その解釈が正しいとした場合の検討ですので、このような解釈にはならないと考えます。
宜しくお願い致します。
ご丁寧に追加のご回答までいただき、ありがとうございます。
確かに、仮に従前額の支給をもって当期の報酬額が一度確定したと考えたとしても、その後の改定は複数回改定として検討することになる、という整理はおっしゃるとおりだと思います。国税庁Q&Aの複数回改定の取扱いまでご提示いただき、大変参考になりました。
今回、数年ぶりの役員報酬の改定で、3か月目の終盤まで慌ただしく、改定時期が遅くなってしまったため、改めて取扱いを確認しておりました。調べていく中で、この点については様々な見解があり、不安に感じていたところでしたが、今回詳しくご説明いただき、整理することができました。
今後は、ご助言いただいたように変更がない場合も含めて毎年所定の時期に決定するとともに、できる限り3か月目の支給から改定後の金額を反映できるよう、余裕をもって手続きを行いたいと思います。
この度は何度もご丁寧にご回答いただき、本当にありがとうございました。
本投稿は、2026年09月27日 16時28分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







