奨学金についての所得税
6年ほど前に病院よりお礼奉公を3年間おこない、看護師としてはたらくと返済免除の条件で奨学金をうけたのですが、その際書類上その際所得にはいり、それは乙が払ってもらうと記載していました。しかし、資格所得に関しては法律改正も学資、資格所得に関する法律9-15で所得税にはかからないとなっているはずなのですが、税務署にも相談したのですが法律が改正してからはそうなったとの返答でした。
もともと学資、資格等にかんする法律はそこの、部分は変わっていないとおもうのですがどうなのでしょうか?
そして、うちの病院ではそのいつから税金、所得税をかすとの説明も書類上もなかったようです。みんなこまってきたのですが現在育休中の人になんの報告もなく去年の所得に奨学金をかしており住民税が四万、子供の保育園料が70000をこえるとのことでした。こうあった場合どおしたらよいのでしょうか?
税理士の回答
奨学金で非課税となるのは、通常の給与に加算して受けるものに限られます。通常の給与に代えて給付されるものは非課税となありません。(所基通9-14)
「参考にして下さい。」
平成28年度税制改正の概要
奨学金など、学資に充てるために給付される金品(学資金)は、原則として非課税所得として扱われるが、学資金であっても「給与その他対価の性質を有するもの」は、給与課税の対象となる(所法9①十五)。
平成28年度税制改正で、この「給与その他対価の性質を有するもの」から「給与所得者がその使用者から受けるもので、通常の給与に加算して受けるもの」が除かれることとなった。つまり、使用者から支給を受けていても、「通常の給与に加算して受けるもの」であれば、所得税は非課税となる。
ただし、役員に対する学資金や、従業員の配偶者や親族等に対する学資金は、通常の給与に加算して受けるものであっても従来どおり給与課税の対象となる。
この改正は、平成28年4月1日以後給付される学資金に適用される。
公開されている基本通達も参考にして下さい。
① 非課税となるのは、通常の給与に加算して受けるものに限られる。通常の給与に代えて給付されるものは非課税とならない(所基通9-14)。
② 役員に対する学資金や、従業員の配偶者や親族等に対する学資金は、役員や従業員に対する給与として課税される。学資金が配偶者や親族等に対して直接支払われている場合にも、従業員本人に対する給与として課税する(所基通9-15)。
③ 学資金の支給を受けている従業員の配偶者や親族等が、その企業の従業員でもある場合には、特段の事情がない限り非課税所得として扱うことができる(所基通9-16)。

岡本好生
奨学金は原則として非課税ですが、課税される場合もあります。
この点法律には、下のように書いてあります。
「学資に充てるため給付される金品(給与その他対価の性質を有するものを除く。)及び扶養義務者相互間において扶養義務を履行するため給付される金品(所得税法第9条第1項第15号)」は非課税
(給与その他対価の性質を有するものを除く。)の部分が重要です。
一般的な奨学金は、給付型であっても貸付型であっても、就業先とは無関係な団体から給付されますので、給与としての意味合いはないのですが、「看護師として働くと返済免除」という条件で就業先の病院から奨学金を借りた場合、返済しないで良かった分は、給料の対価、つまり、給料としていったん支給したものから差引いて返済したと考えるんですよ。ですから、返済資金分だけ名目の給料が上がったことになるので、所得が増え、税金や保育園料も高くなることになります。
これは、病院との間の問題ですので、実質的な手取りが小さくなってしまう状況を説明して、それに病院が対応してくれるかどうかの問題なんでしょうね。病院の会計処理や税務処理が間違っているわけではありませんが、病院の奨学貸付金制度では実質的な手取りが小さくなってしまうことへの手当がなされていないようですね。
また、こういう状況になることについては、奨学金を貸与するときに病院側はちゃんと説明をしておいた方が良いとも思います。

所得税法第9条第1項第15号では、学資に充てるため給付される金品(以下「学資金」といいます。)は非課税とされていますが、学資金であっても、給与その他対価の性質を有するものは、非課税の対象から除くと規定されています。
また、市販されている書籍では、学生に対し卒業後自社に勤務することを条件に奨学金を無利息で貸与し、一定期間勤務すればその返済を免除する場合の課税関係について、将来の雇用を条件として支給するものは、給与その他対価の性質を有するものと認められるので非課税の学資金には該当しないとされています。
すなわち、学資金の返還免除に係る経済的利益が所得税法第9条第1項第15号に規定する学資に充てるため給付される金品として非課税となるかどうかは、給与その他対価の性質を有するか否かにより判断することとなると考えます。
https://www.nta.go.jp/about/organization/nagoya/bunshokaito/gensen/120309/01.htm#besshi1
取扱いが、紛らわしいので、病院側のきちんとした説明が必要だったと思います。
みなさんとても分かりやすくありがとうございます!!きちんと払ったあと、後輩のためにも病院側にこれからは所得として今年からひかれますと説明してもらうようにします。ありがとうございました。
本投稿は、2018年08月07日 07時55分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。