外国 遺族年金 所得税
夫がアメリカで赴任していたことがあり、アメリカから遺族年金を受給することができます。遺族年金は非課税とのことですが、この遺族年金も非課税となるのでしょうか。
税理士の回答

土師弘之
日本の所得税法上は、公的年金等について、日本の公的年金等に限るという規定がありませんので、その外国の公的年金が、「外国の法令に基づく保険又は共済に関する制度で、日本の公的年金等(国民年金法、厚生年金保険法、公務員等の共済組合法などの規定による年金)に類するもの」であれば、日本の公的年金等と同様の方法で課税・非課税を判断することになります。
従って、アメリカの遺族年金も日本の公的年金等に類するものであれば、非課税となります。
ご回答ありがとうございます。
国税庁タックスアンサー において、公的年金等の課税については、No1600にて「(3) 外国の法令に基づく保険又は共済に関する制度で(1)に掲げる法律の規定による社会保険又は共済制度に類するもの」が挙げられていますが、遺族年金については、No1605にて「国民年金法、厚生年金保険法、恩給法、旧船員保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法、旧農林漁業団体職員共済組合法」及び「確定給付企業年金法など」しか掲げられておらず、「外国の法令〜」の記載がありません。遺族年金の非課税対象に「外国の法令〜」が含まれる根拠となる記載などをご教示いただければ幸いです。

土師弘之
所得税法第35条の雑所得の規定の中に
「第3項 前項に規定する公的年金等とは、次に掲げる年金をいう。
一 第31条第1号及び第2号(退職手当等とみなす一時金)に規定する法律の規定に基づく年金その他同条第1号及び第2号に規定する制度に基づく年金(これに類する給付を含む。第三号において同じ。)で政令で定めるもの
二 恩給(一時恩給を除く。)及び過去の勤務に基づき使用者であつた者から支給される年金」という定義があります。
そして、同法31条第1項では「国民年金法、厚生年金保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法の規定に基づく一時金」となっています。
また、所得税法第9条の非課税所得の定義の中に
「三 恩給、年金その他これらに準ずる給付で次に掲げるもの
イ 恩給法(大正十二年法律第四十八号)に規定する増加恩給(これに併給される普通恩給を含む。)及び傷病賜金その他公務上又は業務上の事由による負傷又は疾病に基因して受けるこれらに準ずる給付で政令で定めるもの
ロ 遺族の受ける恩給及び年金(死亡した者の勤務に基づいて支給されるものに限る。)」という定義があります。
所得税法の条文の中で、雑所得となる公的年金等の定義にも、非課税所得となる年金の定義にも、「外国法令に基づく保険又は共済に関する制度」という文言が一切出てこないのです。
雑所得となる年金には、「公的年金等」という表現がありますが、非課税所得となる年金には、「公的年金等」という表現はなく、「遺族の受ける恩給及び年金」という表現しかありません。
そう考えると、タックスアンサー№1605に「外国の法令に基づく保険又は共済に関する制度」に記載がないからといって、非課税所得にならないと解釈するのはバランスの欠くものにならざるを得ないと思われます。
№1600は、「公的年金等」には、日本の年金法等に基づくものだけではなく「外国の法令に基づく保険や共済に関する制度」による年金も含まれることを示しているに過ぎないものと思われます。
そうだったのですね!詳しく丁寧なご回答本当にありがとうございました!安心しました!
本投稿は、2020年07月09日 18時17分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。