時価よりも簿価の方が高い物件の無償譲渡について
一般的に、不動産を無償譲渡した際に譲渡側では時価で譲渡したものとみなして時価>簿価の時は、時価で寄付して差額を譲渡益とすると思うのですが、逆に時価<簿価の場合はどのような取り扱いになるのでしょうか。
時価で寄付して時価と簿価の差額を譲渡損として計算するのか、簿価で寄付して譲渡損を認識しないのどちらかになるのでしょうか。
税理士の回答

石割由紀人
不動産の無償譲渡で時価が簿価を下回る場合、譲渡側は時価で譲渡したものとして譲渡所得を計算し、時価と簿価の差額を譲渡損失として認識します。譲渡損失は原則、他の所得と損益通算可能ですが、不動産の場合は特例要件があります。寄付金控除は時価を基に計算、消費税は原則課税(一定の寄付は非課税)。時価算定の客観性、寄付先団体の要件に注意し、税務署等への相談も検討ください。
石割様
恐れ入ります、お伺いしたかったのは法人税法の取り扱いとなります。
損益通算の概念は所得税法での取り扱いかと存じます。

石割由紀人
法人が時価よりも簿価が高い不動産を無償譲渡した場合、税務上は時価で譲渡したものとみなされ、簿価と時価の差額は譲渡損として認識されます。簿価で寄付して譲渡損を認識しない処理は認められません。譲渡損は原則として損金算入されますが、寄付先の法人との関係によっては寄付金として扱われ、損金算入限度額が制限される場合があります。
本投稿は、2025年02月04日 13時55分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。