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大学との共同研究費(外貨建て・年度跨ぎ)の処理について

ドイツの大学と共同研究を行うことになりました。
当初、2020/4/1から1年間の予定で、予算化・決裁書を作成しましたが
コロナ禍の影響や契約内容の調整等でずれ込み、年度を跨ぐ契約になりました。

その費用処理についてご教示ください。

■契約について
研究期間: 契約締結から1年間 (2020年12月~2021年11月予定)
契約日 : 2020年12月予定
研究費 : 41,550ユーロ
支払日 : 最終報告書または試験報告書を受け取った後に、大学が請求書を発行、
      請求日から30日以内に弊社が支払

■研究費について
今回の契約では、研究終了後に研究費を、ユーロ建てで後払いします。
(ドイツでは、共同研究費は後払いが一般的とのこと)

いままで共同研究費は、先払いしか対応したことがありません。
年度を跨ぐ場合は、翌年度以降の費用(期間按分して算出)は前払計上しておき、
各年度毎に費用化するだけでした。

■質問
共同契約の対価は業務の遂行ですので、2020年度に共同研究が行われるのならば、
支払のタイミングに関係なく、原則どおり、共同研究費を月数で按分して、
年度毎に費用計上しておく必要があるかと思います。

どのように処理すればよろしいでしょうか?

(疑問)
・2020年度分の計上
・タイミングは → 契約締結日(=研究開始日)? 年度末?
用いる換算レートと日付は?

・ユーロ額のまま期間按分して、2020年度分のみ円換算して計上?
((€41,550÷12×4)×[レート])
もしくは、全額を円換算して、その額を按分して計上?
(€41,550×[レート]÷12×4)

・2021年度分の計上
・タイミングは → 2021年4月 or  研究終了時(支払時)
・研究が終了し支払う時に、既計上分と為替レートの相違が生じると思うが、その処理は?

税理士の回答

役務の提供の場合は、その全部の提供を受けた日に計上するのが原則ですが、役務の提供のうちその履行義務が一定の期間にわたり充足されるものについては、その履行に着手した日から引渡し等の日(物の引渡しを要しない取引にあってはその約した役務の全部を完了した日)までの期間において履行義務が充足されていくそれぞれの日が役務の提供の日に該当し、その履行義務が充足されていくそれぞれの日に計上されることになります。

「共同契約の対価は業務の遂行ですので、2020年度に共同研究が行われるのならば、支払のタイミングに関係なく、原則どおり、共同研究費を月数で按分して、年度毎に費用計上しておく必要があるかと思います。」とされていますが、

契約の条項において、
例えば毎月単位で履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積もることができるのでしょうか。
さらに、途中で共同研究を断念することになった場合、それまでの進捗度に応じて役務の対価を支払う義務が生じるのでしょうか。

そうでなければ、役務の提供の日は「最終報告書または試験報告書を受け取った日」となりますので、「共同研究費を月数で按分して、年度毎に費用計上しておく」ことは、債務が確定していないことになるため、出来ないと思われます。

費用をその都度計上できるのであれば、計上日の円レートで計上し、支払った時の円レートとの差額を「為替差損益」として処理します。

なお、法人の場合は、ユーロ建ての未払金は決算末に期末換算する必要があります。

今回、研究期間は12ヶ月ですが契約書によると、その中でタスク毎に金額が割り振られていて更に、月毎に費用が配分されていました。この場合、その通りに月数按分すればよろしいでしょうか。

タスクごとに金額が決められているのであれば、基本的に、それぞれのタスクが完了した毎の費用となります。

月ごとの費用が割り振られている場合、前回説明したように、「月ごとに、すなわち、進捗度に応じて、役務の提供を受けたとすることができ、その部分の対価の支払義務が発生していると認められる場合」には、月ごとに計上することができます。
これが最初に説明した「その履行義務が充足されていくそれぞれの日に計上されることになる」という意味です。

本投稿は、2020年12月01日 10時46分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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