消費税の計算方法、申告について
お世話になっております。
主人が個人事業主となり、経理処理など勉強しています。
消費税納付についてご教授お願い致します。
インボイス登録をして課税事業者となりました。
今年年途中の開業で1期目ですが、課税事業者となったので、来年(2月期限)は納付義務がありますよね?
今年は2割特例を選び納付する予定です。
問題は特例が無くなった後、原則課税と簡易課税のどちらにするか…という事です。
主人の仕事は、排水管清掃や消防点検など設備、メンテナンス業になるかと思うのですが、業種でいうとサービス(第5種)になるのでしょうか?
みなし仕入れ率がどれくらいになるのかわかりません。
また消費税の納付は税理士にお願いせず、自ら計算する予定です。
取引が少ないため、経理処理は会計ソフトは使用せずエクセルで管理しています。
消費税の計算は難しいでしょうか?
自らやるのは無謀でしょうか?
やり方などご教授していただけると助かります。
よろしくお願い致します。
税理士の回答

古賀修二
1年目と2年目もインボイスの2割特例を選択することができます。
単純に2年前の課税売上高が1,000万円を超えなければ2割特例を適用することができます。
もし1年目に課税売上高が1,000万円を超えた場合には、3年目から原則課税と簡易課税の選択をすることになります。
主人の仕事は、排水管清掃や消防点検など設備、メンテナンス業になるかと思うのですが、業種でいうとサービス(第5種)になるのでしょうか?
みなし仕入れ率がどれくらいになるのかわかりません。
第5種事業となります。みなし仕入率は50%となります。
消費税の計算は難しいでしょうか?
自らやるのは無謀でしょうか?
e-taxでの消費税申告をすれば、指示通りに入力すれば自動計算してくれますので難しいことはありません。

佐藤和樹
【1】今年(開業1期目)の消費税納付義務について
ご認識の通り、年途中で開業してもインボイス登録を行った時点で「課税事業者」となります。そのため、今年分についても消費税の納付義務が発生します。
ただし、今年については「2割特例(売上×10%×20%)」を適用予定とのことですので、それで納付可能です。2割特例は「登録をした課税期間を含む2年間」が対象なので、たとえば令和6年10月に登録した場合は、令和6年・7年分が対象になります(期限は登録月によります)。
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【2】業種の区分について(簡易課税選択時の仕入率)
ご主人のお仕事は「排水管清掃」「消防点検」など設備メンテナンス系とのことですが、この場合の業種区分は以下のようになります。
• 第5種:サービス業(清掃業、点検業など)→ みなし仕入率 50%
• 第3種:建設業(配管工事、設備取り付けなど工事要素が強い場合)→ みなし仕入率 70%
※上記は実際の業務内容により異なります。簡単な清掃や点検のみなら第5種ですが、もし作業に工事的要素(例:部品交換、配管工事など)が含まれる場合は第3種になる可能性もあります。迷う場合は税務署に直接確認すると間違いありません。
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【3】原則課税と簡易課税の比較
■原則課税
・売上にかかる消費税 − 支払った仕入や経費にかかる消費税(実額)を引いて納税額を算出
・正確だけど帳簿や仕訳が細かく必要
・インボイスがない支払は控除できない
■簡易課税
・売上にかかる消費税 ×(1 − みなし仕入率)で納税額を算出
・帳簿は簡易でOK、仕入のインボイス不要
・デメリット:仕入税額控除が実額ではなく固定割合で損する場合もある
ご主人のように、仕入や経費が少なく、外注なども行っていない場合は、簡易課税の方が有利になる可能性が高いです。
※簡易課税は適用したい年の前年末までに「簡易課税制度選択届出書」を提出する必要があります(例:令和8年分に適用したい場合、令和7年12月31日までに届出)。
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【4】エクセルでの消費税計算について
基本的には可能ですが、以下のような注意点があります。
・原則課税の場合は、売上・仕入・経費すべてについて「課税・非課税・不課税・課税区分」の区分管理が必要
・会計ソフトが自動でやってくれる部分を手作業でやることになる
・端数処理、税率変更の対応なども必要
取引が少なければエクセルでも対応できますが、消費税の計算は想像以上に細かく、初年度は特に「見落としによる過少申告」「非課税取引の誤処理」などのミスが出やすいです。原則課税を選ぶのであれば、初年度だけでも税理士にチェックしてもらうことをおすすめします。
とても分かり易く、丁寧な説明ありがとうございます。
勉強になりました!
本投稿は、2025年07月04日 21時30分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。