小型合併式浄化槽の償却資産課税対象判断
個人事業主(青色申告)です。
令和4年にアパートを建設し、小型合併式浄化槽をアパート敷地内にある駐車場エリアの下に設置しました。
固定資産台帳に計上したのですが、償却資産の課税対象なのか判断に迷っています。
①建物附属設備-衛生設備→対象外
②建物附属設備-構築物→対象
建設会社の見積もりには、屋外給排水設備費の内訳に記載され、償却資産の課税対象として計算されていましたが、営業担当者からは建物付属設備の衛生設備に該当と確認しました。
また、アパートを建てた地域は下水道がなく、浄化槽の設置は必須で、市では細かくチェックをしていると聞きました。
①と②の判断基準と、課税対象であるかどうかを教えて頂きたいです。
よろしくお願い致します。
税理士の回答

小川真文
建築技術関係には詳しくはありませんし、小型合併式浄化槽の構造や規模、設置状況等が不明ですので参考意見を述べさせていただきます。償却資産の例示として東京都では小型合併式浄化槽に類するものとして「衛生設備」「浄化槽設備」「し尿浄化槽等設備一式」が掲げてありますので、こちらに相当するものと考えます。
この場合「建築設備の要件を満たすものは家屋評価の対象となる」との説明があり、「家屋には電気設備、空調設備、給排水設備等の建築設備が取り付けられますが、家屋評価の対象となる建築設備とは、①「家屋の所有者が所有するもの」、②「家屋に取り付けられ、家屋と構造上一体となっているもの」及び③「家屋の効用を高めるもの」の3要件を備えているものを言い。償却資産の対象外となります。
「①建物附属設備-衛生設備→対象外」は家屋評価つまり建物と一体の構造と認められる場合と「②建物附属設備-構築物→対象」は独立単体の構造と認められる場合の判断による違いによるものと思われます(「アパート敷地内にある駐車場エリアの下に設置」の場合は後者の可能性があります)。
いずれにせよ当該浄化槽の仕様書等の資料を確認して、自治体の担当部署でご相談いただく事をお勧めします。
ご返答ならびにご説明をありがとうございます。
東京都の償却資産と家屋の区分表 (令和4年4月1日時点)を拝読しました。
家屋評価の対象となる建築設備条件の②家屋に取り付けられ、家屋と構造上一体となっているもの」とあるため、屋外に設置した合併式浄化槽は対象になる可能性があるということですね。
質問を投稿したあとに、萩市の償却資産のQ&Aで次のものを見つけました。
Q11 家屋に付随する屋外の設備、配管、配線等の取り扱いは?
A:屋外に設置されている設備等は原則償却資産として課税対象になります。しかし、アパート屋上の高架水槽、ビルトインタイプのエアコン等(前述)の室外機、給湯器、合併浄化槽等で室内の機器と一体となって効用を果たすものは家屋としての評価対象となります。
その他の屋外にある手洗場、電気配線、上水道管(量水器より外側)、ガス配管(メーターより外側)、電力引込線、外灯、門、塀、花壇等は原則通り償却資産として課税対象です。
また、合併浄化槽の仕組みを調べてみました。トイレだけでなくお風呂や台所など家庭からでる全ての排水処理をするもので、現在浄化槽として設置できるものは合併浄化槽のみ、設置するには広いスペースが必要のようです。
以上のことから判断すると、アパートの敷地内の駐車場エリア(アパート建物の目の前と横)に設置しても、「室内の機器と一体となって効用を果たす」ものに該当し、家屋として評価対象で償却資産の対象外になるように思えます。
機器と一体なっての判断がよくわかりませんが、市によって判断が異なるということがあるのでしょうか。

小川真文
お考えはよく理解できます。「合併浄化槽等で室内の機器と一体となって効用を果たすものは家屋としての評価対象」の説明から償却資産の対象外という場合もあることですね。
「室内の機器と一体となって効用を果たす」との解釈については、外見上での物理的空間的に一括の資産(建物とその一部)と認められるのか、あるいは機能上では全体の一部(排水浄化のための設備として生活空間から配管と通して浄化槽までが一体である)と考えるかの判断となりますが、本件については当該浄化槽は特殊なものではなく、地域的には一般に広く導入されているものと思われますので、先の回答の通り事例経験値のある自治体の地方税所管担当部署でご相談いただく事をお勧めします。よろしくお願いいたします。
地域的に浄化槽が広く導入されている地域ですので、自治体の管轄担当部署に問い合わせてみます。
分かりやすくご説明頂きありがとうございました。
本投稿は、2023年01月14日 19時59分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。