退職金とiDeCoを同時に一時金で受取りする
●iDe Co、退職金の「一時受取」について「税務相談」
私→57歳、2021/7/末に前職「A」に31年勤務後に退職し退職金を「一時金」で受取済
(退職所得控除を利用済)勤務中に「確定拠出年金」加入あり(転職後:iDeCo~)
①2021/8/1より今の職場「B」に転職し勤務中、5年半勤務し 60歳(2027/2/1付)で定年退職予定(退職金=約600万)
(一時受取にて計画)→「一時金」で受取し「退職所得控除」は利用できるのか?
②前職時代 2015年から「確定拠出年金」制度に加入しており、転職後はiDeCoに移管済。
(iDeCoの積立は実施せず「指図」のみ)
※今の会社「B」でも就職時から「確定拠出年金」に加入している。
60歳定年(2027/2/1付)の退職時にiDeCoと「確定拠出年金」の両方を「一時金」として受取を考えている。(通算12年)<金額は想定で500万>
※「一時金」受取にて計画→「一時金」で受取し「退職所得控除」は利用できるのか?
【質問】
・上記の①と②の合計 1,100万を退職時に同時に「一時金」として受け取りする場合、「退職所得控除」は「確定拠出年金」の前職含めたトータル加入期間である「12年」となるのか?
①.②をどのように受取りするのが税務上有利となるかを知りたい。
税理士の回答

石割由紀人
退職金と退職所得控除の基本
退職金に対する退職所得控除は、所定の勤続年数に基づいて計算されます。一般的に、勤続年数によって計算される退職所得控除は、20年以下の勤続年数については「40万円×勤続年数」、20年を超える場合は「800万円+(70万円×(勤続年数-20年)」です。
複数回の退職金受取について
あなたの場合、すでに2021年7月に前職「A」で31年勤務後、退職所得控除を利用して退職金を一時金で受け取っています。その後、今の職場「B」で2027年2月に5.5年の勤続後に新たに退職金を受取る予定です。
「iDeCo」と確定拠出年金の受取と退職所得控除
2021年以降に受けた退職金または確定拠出年金の受給について、同一年度に両方の一時金を受け取る場合、合計の加入期間が考慮されます。確定拠出年金に関しては、受給時の加入年数が基礎となりますので、iDeCoの通算12年の加入期間を基に退職所得控除を計算することが可能です。
税務上の有利な受取方法
再度退職金を受け取る際、複数回にわたる退職金受取に重要な点は、過去4年以内に退職金を受給しているかの確認です。ただし、この4年のルールは確定拠出年金に関しては19年に延長されます。したがって、確定拠出年金の受給が他の退職金受取と重なる場合、この19年ルールに基づいて年数を検討します。控除は重複する期間を考慮して調整されるため、重複がある期間は減率される可能性があります。
結論として、質問の①②それぞれについては、個々の受取を適切に管理し、最も有利な控除を活用するためには、可能であれば退職金の受け取りを別の年度に分けるとよいでしょう。これにより、それぞれに適用される退職所得控除を最大化し、税負担を軽減することが可能です。
詳細にわたりお調べをいただきまして、大変ありがとうございました。大変参考になりました。今後ともどうぞよろしくお願いをいたします。
本投稿は、2024年09月19日 14時59分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。