「idecoを一時金として受け取る場合の退職所得控除について」
お世話になります。
この度こちらのサービスを初めて利用させていただく、現在大学生のものです。
「idecoを一時金として受け取る場合の退職所得控除」の金額についてお伺いしたいことがございます。
idecoを一時金として受け取る場合、退職所得控除を使うことができ、例えば、30歳から65歳まで積み立てをした際の控除額は「800万円 + 70万円 × (勤続年数(35年) - 20年)」で "1850万円" になるかと思います。
しかしながら、例えば、22歳から62歳までの40年の間で5年ごと、合計8回の転職を行い、勤務した会社からそれぞれ退職金を30万もらえると仮定した場合において、
30歳からidecoに加入し、65歳でidecoを一時金として受け取る際のidecoの退職所得控除の金額の額は
「40万円 × 勤続年数(3年)=120万円」であると私は考えております。
これは、退職所得控除の勤務年数の重複が容認されていないため、22歳から62歳までの40年間の勤務年数を差し引いた残りの3年(62歳から65歳までの3年間)で計算をしているためです。
ただ、自身の知識不足が原因で、大前提この退職所得控除の金額で合っているのかどうかがわからず、19年ルールを適応した、idecoを一時金として受け取る65歳よりも前の退職金も含めて、退職所得に合算して計算するのかどうかなども、正直理解が及んでいない状況です。
もし仮に転職回数を増やせば増やすほど、多少なりともそれぞれの会社から退職金が支給され、その度に退職所得控除が適応された結果、idecoを一時金として受け取る際の控除額が激減するのかどうかで、将来idecoに加入するか否かを非常に悩んでおります
説明文が非常に読み取りづらく大変申し訳ありません。
お伺いしたい内容は、上記の場合(22歳〜62歳までの間で5年ごと8回の転職をし、それぞれで退職金がもらえると仮定した場合)において、65歳でidecoを一時金として受け取る際に、いくらの退職所得控除が適応されるのか、
また、同様に上記の場合において、idecoを一時金として受け取る際の最適解(控除額が最大になる場合におけるシュミレーション)をご教授いただけたら大変助かります。
何卒よろしくお願い致します。
税理士の回答

石割由紀人
iDeCoを一時金として受け取る際の退職所得控除額は、他の退職金と通算して計算されます。複数の退職金がある場合、それぞれの「勤続年数」に基づいて退職所得控除が適用されますが、同じ期間が重複している場合、その重複部分は控除の対象外です。
ご提示のケース(22歳〜62歳まで8回転職し退職金を受け取った後、65歳でiDeCoを受け取る)では、退職所得控除額は62歳までの勤続年数分を既に使用しているため、62歳以降の3年間の分しか残りません。この場合の控除額は40万円×3年=120万円となります。
最適解としては、iDeCoを年金形式で受け取る選択肢も検討してください。年金形式の場合、「公的年金等控除」が適用され、他の退職金と分離して計算されるため、税負担を抑えられる可能性があります。
石割先生。早々に回答していただきありがとうございます。
やはり「勤続年数」の重複期間は控除の対象外でなのですね、、、
これからは先生のおっしゃる通り、Idecoを年金形式で受け取ることも検討してみます。
また大変恐縮ですが、最後にもう一つだけお伺いしたいことがございます。
前回質問させていただいた後に改めて、退職所得控除について調べていたところ、国税庁のHPに以下の記載がありました。
”なお、前の退職手当等の収入金額が、前の退職手当等の勤続年数に基づき上記表により計算した額を下回る場合には、前の退職手当等の勤続期間はその期間の初日から次表の算式により計算した数(1未満の端数は切り捨てます。)に相当する年数を経過した日の前日までの期間であったものとして、本年分の退職手当等の勤続期間との重複期間の計算をします。”
国税庁HPより引用
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2732.htm
これはつまり「退職所得控除の金額 > 退職金の金額」であった場合に退職金の金額に見合う退職所得控除の勤続年数に調整されるという意味だと捉えています。
例えば、勤続年数が10年、退職金の総額が300万円と見込まれた場合、退職所得控除の金額は「40万円*10年」で400万円であるかと思います。
しかしながら、国税庁のHPの引用をもとに計算をすると、退職所得控除に相当する勤続年数は、毎年40万の退職所得控除が発生すると「7年(40万円*7年間=280万円)」となるため、実際の勤続年数が10年だった場合だとしても、計算上では7年の勤続年数としてカウントされると考えております。
その場合、例えば、50歳から60歳までに勤続年数10年の会社から退職金を300万円もらえ、30歳からIdecoに加入し35年後(65歳時点で)一時金として受け取る場合、
会社からの退職金の退職所得控除は、40万円*7年で「280万円」となり、Idecoを一時金で受け取る際の退職所得控除は、Ideco加入期間35年-計算上の勤続年数7年間であるため、800万円+70万円*8年になるので「1360万円」になると考えております。
(もし勤続年数分が調整されず、そのまま引かれるのであれば、退職所得控除は重複期間のない25年になるので「1150万円(800万円+70万円*5年)」になると思います)
説明がかなり複雑になってしまい大変申し訳ありません。
改めて、お伺いしたい内容は、国税庁HPに記載がある引用の解釈が私の上記の説明で合致しているか否かの判断と、誤っていた場合の正しい解釈をご教授いただきたく存じます。
何卒よろしくお願いいたします。

石割由紀人
ご質問ありがとうございます。国税庁の記載に関する解釈について、以下の内容が該当ケースに適用されるかを整理します。
引用部分の解釈
引用部分の趣旨は、退職金が退職所得控除額よりも少ない場合に、その退職金の金額に見合うように勤続年数が調整される、ということです。具体的には
1. 退職所得控除の金額が退職金を超える場合
勤続年数は退職金額に対応する勤続年数に調整されます。
例えば、10年勤続で退職金300万円の場合:
- 通常の控除額:40万円×10年=400万円
- しかし退職金は300万円なので、300万円÷40万円=7年(端数切り捨て)
→ 勤続年数は「7年」として計算されます。
ご提示のケースの計算例
- 会社からの退職金(勤続10年、退職金300万円)
勤続年数の調整後:7年分(300万円÷40万円=7)
退職所得控除額:40万円×7年=280万円
- iDeCoの一時金受取時(65歳、加入期間35年)
重複しない勤続年数:35年−7年=28年
退職所得控除額:800万円+70万円×13年=1710万円
正しい解釈
この解釈は国税庁の説明に合致しており、上記の計算方法で正しいと考えられます。調整された勤続年数(7年)は、退職金の金額に見合うものとされ、実際の勤続年数(10年)ではなく調整後の7年が重複年数として適用されます。
石割先生。
大変お忙しい中、ご回答いただきありがとうございます。
おかげさまで、退職所得控除の理解がさらに深めることができました。
直近では、年末の税制改正大綱などでidecoの改悪などのニュースがあり、将来設計に関して不安があったので、非常に助かりました。どうもありがとうございました。
本投稿は、2024年12月28日 04時46分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。