法人絡みの保険金
契約者および保険料負担者=代表者(個人)
被保険者(建物所有者)=上記と同一人物
の建物にかかる保険について。
本来被保険者が宗教法人であった場合
1.保険金を個人が受け取った場合の課税関係
2.上記契約形態で、宗教法人が保険金を受け取った場合の課税関係
について教えていただきたいです。
税理士の回答

佐藤和樹
【1】保険金を「個人」が受け取った場合の課税関係
この場合、以下のように整理されます。
• 契約者=個人
• 保険料負担者=個人
• 被保険者=個人
• 受取人=個人
このため、保険金のうち損害に対応する部分は原則として非課税となります。
【ポイント】
• たとえば火災保険などで、建物の損害に応じて支払われる保険金は、「資産の補てん」として非課税です(所得税法基本通達34-1ほか)。
• ただし、保険金を受け取ってもなお建物の簿価が残っている場合、帳簿上の処理や譲渡所得課税の検討が必要となるケースがありますが、宗教法人とは無関係なため、基本的に課税関係は発生しにくいです。
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【2】被保険者が「宗教法人」で、保険金を宗教法人が受け取った場合
この場合は、少し注意が必要です。
• 契約者=個人
• 保険料負担者=個人
• 被保険者=宗教法人
• 受取人=宗教法人
【課税関係】
• 宗教法人が無償で保険金を受け取った場合、「寄附金収入(法人への無償の給付)」とみなされる可能性があります。
• この保険金が「宗教活動に直接必要な資産の損害補てん」として支払われるものであれば、非課税扱いとなります(宗教法人の非課税収入として認められる)。
ただし、以下のようなケースは課税対象となる可能性があります:
• 保険金が宗教活動とは無関係な用途に使われる
• 建物が事業活動(例えば貸付業)に使われている場合
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【留意点】
• 保険契約者・保険料負担者が個人であっても、法人(宗教法人)が保険金を受け取るなら、「贈与」または「寄附」として法人に収益が計上される必要があります。
• ただし、宗教法人であれば、宗教活動に関するものであれば「非課税の特定収入」に該当します(法人税法施行令第5条)。
本投稿は、2025年05月07日 16時18分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。