取得費の考え方
土地建物の譲渡所得税の取得費の考え方について教えて頂けませんでしょうか。
譲渡所得 = 譲渡収入 - 取得費 - 譲渡費用
だと思いますが、取得費はその土地建物を取得した費用のことですよね?
例えば10年前に取得した土地建物を譲渡したり売却したら、
建物の取得費は10年分の減価償却の計算をするようですが、
そうすると、10年前に取得した価格ではなく、法的、税法上の現在の建物の価格(価値)、という
意味になるような気がして、
10年前に取得に要した費用なのか、よくわかりません。
現在取得したわけではなく、10年前に取得したものです。
建物は年々価値が減少するのは理解できます。
建物の取得費は「取得に要した費用」とは言うものの、当時の費用ではなくて、相手に譲渡(売却)した土地建物の現在の価格(価値)という
考え方で良いのでしょうか?(土地は減価償却しない)
税理士の回答
東京都中央区の小林税理士事務所 小林拓未と申します。
賃貸用木造アパートの例で申し上げます。
建物2200万円、土地3000万円が取得価額。耐用年数22年、減価償却費は、年100万円。
このアパートが10年経過しますと。建物1200万円、土地3000万円になります。この時に5000万円で売却、譲渡費用0とすると、5000万円-(1200万円+3000万円)=800万円となります。
減価償却した分だけ、取得価額が減っており、譲渡所得が大きくなっています。ただ、その減価償却費は、不動産所得の経費になっていますので、損したわけではありません。
ところが、賃貸用でない、自宅の建物については、耐用年数を1.5倍して、減価償却費相当額を控除して、取得費を計算します。この減価償却費相当額は、税金計算上の恩典が全く無く、単に譲渡所得を増加させるだけの影響しかありません。
このことは、非常に不合理なのですが、
自宅を所有している場合、自分に対して賃貸業を行っており、家賃相当額の所得が有り、その家賃相当額を使用した事にされる、という考えがあります。この考えを「帰属家賃」といいますが、これは本来なら所得にあたるものの、課税はしない、その代わり、減価償却費もどこかの所得から引かない、ということのようです。
したがって、取得費は、完全に当時の価格というよりは、当時の価格ー調整額(減価償却費)、と言えます。取得費が土地建物の現在の価格(時価)では無く、どちらかといえば、譲渡収入が、現在の価格(時価)ということになります。
以上よろしくお願い致します。
小林先生、ありがとうございました。
素人には難しいものですね、
先生の仰るとおり、【取得費は、完全に当時の価格というよりは、当時の価格ー調整額(減価償却費)、】
なのですね。
取得費と呼ぶのでわかりにくいんですよね・・
取得費 = 当時買った金額から調整額(減価償却費)を引いたもの と
最初から税務署も言ってくれたらいいのですが。
ありがとうございました。
本投稿は、2016年09月30日 20時00分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。