仲介サービスにおける消費税、源泉徴収の取り扱いについて
お世話になります。
オークションサイト(ヤフオク!など)やオンラインモール(楽天、Amazonなど)などでは、手数料をひとつの収益源としていますが、例えば、以下のような例において、消費税、源泉徴収税の取り扱いについて教えて下さい。
<例>
課題・問題を抱えている人(Aさん)とそれを解決できる人(Bさん、Cさん)をマッチングするWEBサービスを構築する。Aさんに対して、Bさん、Cさんを紹介し、その対価(紹介料)を受取り、また、最終的にマッチングしたBさんに対しては、紹介料から一定の手数料を差引いた額を支払う。
この場合の理解として以下は正しいでしょうか?
1)Aさんから、紹介料(税込)を受領する
2)Bさんへは、紹介料(税込)から手数料(税込)を差し引いた額(支払額)に対して、源泉徴収税額を算出し、最終的には、支払額から源泉徴収税額を差し引いた額を支払う。
3)手数料(税込)の消費税、および、源泉徴収税を納税する
また、上記とは異なるサービスについても、需要と供給を仲介し、その仲介に関する対価を受ける場合、仲介するもの(サービス、人、物、金、その他)によっては関連する税法が異なるとは思いますが、基本的には同様の考えでよろしいでしょうか?
以上
よろしくお願いいたします。
税理士の回答

村井隆紘
事業者側から見た場合と、消費者側(Aさん、Bさん)から見た場合とで消費税の捉え方が異なります。
まず事業者側からは手数料は課税売上となりますため消費税込の価格となり、Bさんから紹介の対価として徴収をすると考えると、Bさんへの振込のタイミングで消費税が課税されると考えられます。紹介料(実態はBさんの役務提供の対価)につきましては売上と捉えるか預り金と捉えるかにより扱いが異なりますが、預り金である場合には消費税は課税されません。また、源泉徴収税につきましては、源泉徴収義務者が源泉徴収義務のあるデザイン等の業務について報酬を支払う場合には源泉徴収が必要となりますが、源泉徴収義務のない業務につきましては源泉徴収の必要はありません。消費税、源泉徴収税いずれも、預った後、納付期日までに納税を行います。
次に消費者側からは、一般消費者であれば消費税納税義務はなりませんため、課税売上、課税仕入とはならず、結果的に設定価格は消費税抜の価格となります。Aさん、Bさんが事業者である場合には課税売上、課税仕入となり、結果的に設定価格は消費税込の価格となります。
いずれのサービスでありましても基本的には上記と同様の考え方になるか思われます。
以上、お役に立てますと幸いでございます。
お忙しいところご回答いただきありがとうございます。
源泉徴収は、その必要があれば報酬から税額を差引く事を理解いたしました。
サービスを提供する事業者から見た場合の消費税について整理させてください。
<ケース1>
・Aさん:一般消費者、事業者を問わない
・Bさん:一般消費者である
・サービス提供者:紹介料は売上である
(1)Aさんは、サービス利用料(紹介料)を支払う(消費税を負担する)
(2)サービス提供者は、サービスを提供し紹介料を売上として計上(消費税は未払消費税として計上)する
(3)Bさんへ報酬(消費税抜き)を支払う
(4)サービス提供者は、Bさんへの報酬を仕入として計上する
<ケース2>
・Aさん:一般消費者、事業者を問わない
・Bさん:事業者である
・サービス提供者:紹介料は売上である
(1)ケース1に同じ
(2)ケース1に同じ
(3)Bさんへ報酬(消費税込)を支払う
(4)ケース1に同じ
<ケース3>
・Aさん:一般消費者、事業者を問わない
・Bさん:一般消費者である
・サービス提供者:紹介料は預り金である
(1)Aさんは、サービス利用料(紹介料)を支払う(消費税抜き)
(2)サービス提供者は、サービスを提供し紹介料を預り金として計上する
(3)預り金から手数料(消費税込)を差し引いた額をBさんへ支払う
(4)サービス提供者は、手数料を売上に、消費税を未払消費税に計上する
<ケース4>
・Aさん:一般消費者、事業者を問わない
・Bさん:事業者である
・サービス提供者:紹介料は預り金である
(1)Aさんは、サービス利用料(紹介料)を支払う(消費税込み)
(2)ケース3に同じ
(3)ケース3に同じ
(4)ケース3に同じ
以上の理解でよろしいでしょうか?

村井隆紘
丁寧にご確認頂きましてありがとうございます。
いずれのケースも一般的にはご相談者様ご理解の考え方で問題ないものと思われます。なお、未払消費税は取引時点では仮受消費税として計上することが一般的でございます。
その他ご不明点等ございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
本投稿は、2016年11月08日 13時00分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。