個人事業主でも社宅は借りられるか
実家の病院を手伝うに辺り、今個人で借りている賃貸物件を社宅化する事は可能でしょうか。
実家の病院は法人成りしていないで、個人事業主のままです。
社宅化というより、経費で落とす形になると思うのですが、経費で落とせますでしょうか。
税理士の回答

髙峰都宏
契約者が相談者様の場合、賃料はいったん相談者様が支払い、それに対して病院が見合う金額を相談者様に支払うことになるので、当該金額は給与として取扱われると考えられます。その場合には、病院の事業所得は給与分(と後述の社会保険料増加分)減少しますが、一方で病院の社会保険料負担額が増加し、相談者様の給与所得・社会保険料が増加します。
当該賃貸物件の契約者を病院(の事業主様)に変更することができれば、賃料を一義的に病院が支払うことになりますが、これを全て無償で相談者様に貸与する形になりますと、「賃料相当額」が給与として取扱われます。そのため、給与としての課税を避けるため、「賃料相当額の50%以上」を給与天引するなどして、相談者様から病院が受け取る形にすることが考えられます。このとき、賃料の病院負担分が病院の経費となり、相談者様は賃料相当額を負担すればよいことになります。
なお、「賃料相当額」とは次の(1)から(3)の合計額です。
(1)(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2パーセント
(2)12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/3.3(平方メートル))
(3)(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22パーセント
(注)会社などが所有している社宅や寮などを貸与する場合に限らず、他から借りて貸与する場合でも、上記の(1)から(3)を合計した金額が賃貸料相当額となります。
したがって、他から借り受けた社宅や寮などを貸す場合にも、貸主等から固定資産税の課税標準額などを確認することが必要です。
なお、看護師や守衛など、仕事を行う上で勤務場所を離れて住むことが困難な使用人に対して、仕事に従事させる都合上社宅や寮を貸与する場合には、無償で貸与しても給与として課税されない場合があるようです。
本投稿は、2024年01月10日 17時38分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。