生命保険を用いた節税に関する考え方
以下の考え方に誤りはないでしょうか?
最近、弁護士法人を設立したものです。
仮に、代表者だけに3分の1損金算入可能な生命保険をかけて、10年後弁護士法人を解散した場合、損金にした部分(この部分であれば税務上も退職金とできそうです)については退職金で代表者に支給するつもりです。
他方、前払い金として資産計上する3分の2については、利益を800万円以下にすれば、毎年、実効税率2割強を支払うことになると考えています。
更に、最終的に代表者が受け取るときに、大部分は税務上の退職金と認定されないと思われ、その場合は法人解散後の残余財産分配により代表者の個人財産とできると考えています。この時の税率は、配当と同じ20%のみと考えています。
結局、(保険を用いる場合に限らず)利益を法人内部に留保して、解散後代表者がそれを得るためには、2重課税で少なくとも4割弱をとられると考えています。この4割弱と所得税累進課税、住民税及び社会保険料という個人にかかる重い負担とのどちらをとるか、という問題なのでしょうか?
税理士の回答

退職金で受給する場合、
所得税上、給与で受給するより明確に有利。
相続時に受給する場合も5百万×法定相続人数分、非課税となる。
ということが主たるメリットで、実効税率を仮定した解約返礼率は、800万未満の税率が低いときのものを想定したものではありませんし、嘘では無いのですが、語らない部分を確認しないといけないのかもしれませんね。
保険会社の手数料、運用負担は、保険加入者がカバーするのですから。
節税対策、としては上述したものを大まかに把握しておき、後は、多額の生命保険に加入するのであれば、個人の場合、所得控除枠は4万の生命保険料控除の枠が、経費に姿を変えて上限がなくなった、といったものもあるでしょうか。
とはいえ、それであれば、小規模共済、401K等、他に有利なものもあります。
ご回答、ありがとうございました。
ちなみに、セーフティ共済や小規模共済、401kはフルに活用する前提で考えています。
それでも足りない部分があるケースです。
自分の思考の筋道としては、
1 まず、出口戦略から考える。すなわち、10年後税務上認められる退職金額を、その時の想定月給100万円×10年×3(代表者)の3000万円と仮定する。
2 セーフティ共済の800万円を控除した2200万円を、生命保険解約返戻金でつくる。
3 基本的に、保険会社に支払うコストについては重視するので、10年後の解約返戻率が100%を超える保険を利用する。ただし、3分の1損金タイプしかない。
4 キャッシュフロー的に見て、3の保険に毎年660万円の保険料を確実に支払えることを確認する。
5 毎年、220万円の損金と、440万円の前払金を計上することとなる。前払金440万円については、借り入れでない限りは法人税を支払うことになる。
6 10年後、法人を解散する。それ以前に月給を100万円とし、3000万円の退職金が認められるよう準備を行う。
7 資産の4400万円については、負債があれば返済等に充てる。その残余については、利子配当と同じ20%の所得税・住民税を支払った上で代表者が確保できる。
というものです。
何か間違えている点はないでしょうか?
また、1人法人の代表者が、法人の利益を①その報酬でとるべきか、②配当又は解散時の残余財産分配でとるべきか、については(退職金でとれるのがベストであることは理解しています。それを超える利益の話です。)、①個人の所得税率、住民税率、健康保険料率の合計と、②{1-(1-法人実効税率)×(1-0.2)}の比較で決まる、と考えていいのでしょうか?
なお、個人的には、厚生年金保険料については多く払っても損をしたという感じはないのです。ただ、健康保険料については少なければ少ないほどいいと考えています。万に一つ、傷病手当金を貰うこととなったときに後悔することになる可能性をどう評価するか、の問題なのかな、と。

最後の配当部分は、総合所得になるので20%にはならないですね。あと、10年で確実に法人を解散できるのか、というところが気になります。
おっしゃるように退職金でとるのがベストでしょうか。ただ、あまりにもあからさまに直前に報酬をバット上げ、すぐに功績倍率を利用して理屈の上での処理をすると、少なくとも税務署は刺激するだろうな、という気はします。なので、一定の期間報酬を上げておくというのもよろしいのかと存じます。2,3年報酬を200万にすればよいでしょうか。
弁護士の方であっても、経費に含められる範囲は他の事業と同様ですので、穏当な範囲での日常の経理処理等されておく、といったことが前提となるものかと存じます。
他、健康保険を軽減したいのであれば、事前確定届をだし、月次の費用は10万、賞与は1000万、といった方法も出来ます。ただ、月次の報酬額は退職時の算定のベースになるため、こちらは利用するのは難しいのかもしれませんね。
遅くなりましたが、ありがとうございました。ためになります。
本投稿は、2018年04月26日 12時57分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。