買換特例(アパート経営→マンション1室)
現在、土地・建物自己所有(30年程度保有)にて、賃貸アパートを経営しています。
これを売却し、代わりに売却額を下回る価格の中古マンション1室を購入した場合の、買換特例利用やその他の節税方法などについてご教示ください。
(前提)
・新たに購入する中古マンションは子供世帯が居住し、賃料を支払ってもらう
・本人の自宅は別途あり
(特に知りたいこと)
・買換特例を使うために、譲渡物件、買換物件はどのような要件を満たしている必要がありますか?
税理士の回答

池田康廣
事業用の土地・建物を売却し、事業用の土地(敷地権)・建物を買い換えした場合、買い替えの特例を適用できますが、譲渡価額から差引する買換資産の取得価額は実際の取得価額の80%となります。 譲渡価額ー買換資産取得価額×0.8=収入金額
(譲渡資産の取得費+譲渡費用)×収入金額÷譲渡価額=必要経費
収入金額ー必要経費=譲渡所得金額 ・・となります。
また、今後の減価償却の基となる買換資産の取得価額は、実際の取得価額ではなく、(譲渡資産の取得価額+譲渡費用)×(買換資産の取得価額×0.8)/譲渡資産の譲渡価額 +
買換資産の取得価額 × 0.2となり、これを基に減価償却することになります。また、マンションですので、敷地権の価額が含まれています。減価償却の基となる金額を計算する場合は敷地権の価額を除いて取得価額(引継取得価額)を算出する必要があります。(引継取得価額×建物価額÷(土地価額+建物価額))
池田先生、早速にご回答いただき、誠にありがとうございました。
「買換資産取得価額」について追加でご質問させてください。
例えばマンションの価格が5000万円だとして、買換特例における取得価額は全額5000万円となりますでしょうか?
マンションの価格は土地と建物からなり、買換特例の取得価額とできるのは建物部分だけ なのでしょうか?(例えば2500万円だけが買換特例上の取得価額となるイメージでしょうか)

池田康廣
前回の回答のとおり、買換特例の対象になるのは土地・建物の両方ですが、買い替えの対象になるのは、譲渡価額と買換資産の取得価額のどちらか低額の方の80%までです。したがって、譲渡価額5,000万円ー買換資産取得価額5,000万円×80%=4,000万円 5,000万円ー4,000万円=1,000万円が譲渡所得の収入金額、(譲渡資産の取得価額+譲渡費用)×20%が必要経費となり、この差額が譲渡所得として課税されます。また、買換特例の対象となるのは土地・建物両方ですが、(譲渡所得の計算方法は前回回答のとおり)賃貸による不動産所得の計算上、必要経費となるのは建物部分の減価償却費です。このため、買換資産が土地・建物両方の場合は前回回答で示した引継取得価額をそれぞれの実際の取得価額の割合で区分する必要があります。
本投稿は、2022年06月01日 12時10分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。