法人設立に伴う、配偶者のパート雇用と扶養について
事実事項
・私(夫)の事業を先日、法人化(合同会社)しました。
・法人化に伴い、いろいろと精査していると個人事業主である妻の事業を法人に取り込み、パートとして年間130万以下(月10万+通勤手当7500円)として雇用し、私の扶養にした方がメリットがあることに気づきました。
・妻は個人事業主のピアノ講師で年間収入は200万、所得は130万程度です。
・私の事業はピアノ講師とは別のものですが、法人の定款には将来を見据えて、音楽教室の運営が記載されています。
・私はひとり会社で従業員は私しかいません。
・妻の稼働時間は週に20時間ほどで月10万で時給換算しても最低賃金は下回りません。
やりたいこと、進め方
・妻をパートで雇い、社会保険上、私の扶養に入れたい。
・妻とは会社とパート雇用契約(給与、労働時間等)を締結後、社会保険扶養、雇用保険、労災保険等の手続きを行う。
・手続き完了後、月謝を法人の口座にいれ、給与を妻に支払う。
確認事項
1)上記の進め方で税務上、問題となる点はないでしょうか。
2)ピアノ講師を月謝は基本現金手渡しのため、月末にまとめて法人口座に入金して記録を残す方式で問題ないか。
法人化したばかり色々とわからないことも多く、しらべた限りだと問題なさそうですが助言がありましたら頂けますと幸いです。
税理士の回答

ご相談のケース、整理すると以下のように考えられます。
1) 税務・社会保険上のポイント
妻を法人でパート雇用することについて
①形式面が整っていれば可能です。
・雇用契約書を作成し、労働時間・給与水準が合理的であれば問題なし。
・最低賃金を下回っていない点もクリアしています。
②配偶者控除・社会保険の扶養
・給与収入が「123万円以下」であれば所得税の配偶者控除対象。
・ご提示の「月10万+通勤手当7,500円」=年約127万円
→ 通勤手当込みで130万円を超えないため、健保扶養ラインに収まるかと思います。
③税務調査時の留意点
・「実態が伴っているか」が問われやすいです。
- 実際に労働している(授業や運営補助など)
- 支払が法人経費として合理的(給与水準・業務内容に見合う)
- 記録(勤怠管理・給与明細・振込)を残している
これらを準備しておくと安心です。
2) ピアノ教室の売上(現金入金)の処理
①現金売上を法人の収入として計上するのは可能です。
・法人が音楽教室を運営する形に切り替え、月謝を法人名義で受けることを明確化する必要あり。
・現金を一度妻が受け取っても、必ず法人口座へ定期的に入金し、入金伝票や日計表を残しておくのが望ましいです。
②問題となりやすい点
・「法人化前の個人事業と法人の売上が混ざっている」ケース。
→ 法人の開業日以降は法人収入として明確に区切る必要があります。
・「現金売上をそのまま生活費に使ってしまう」ケース。
→ 必ず法人口座に一旦入金し、給与等として支出する流れを徹底することが重要です。
3) 実務的なアドバイス
①雇用契約書・給与規程を作成し、形式を整える。
②給与支給は必ず法人口座→妻の口座へ振込(現金手渡しは避ける)。
③現金売上については「日計表+法人入金記録」を残す。
④社会保険の扶養要件は、通勤手当込みで「130万円未満」となるよう調整。
⑤税務署や年金事務所に「形式だけの雇用」と疑われないよう、業務内容や勤務実態を明文化しておく。
✅まとめると、進め方自体はおおむね正しく、 実態が伴い、記録を残すことさえ徹底すれば大きな問題はありません。
特に「扶養の130万円ライン(通勤手当込み)」だけ注意して設計されると良いです。
本投稿は、2025年09月05日 11時57分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。