保険料、税金を抑える方法について
夫と別居し、実家で母と同居を始め、同時に正職員で働き始める予定です。私の住民票を実家に移し就職するにあたり、2人の税金や社会保険料負担が抑えられる方法が判れば教えてください。今のところ世帯は分離する予定です。母(77歳)は自分の老齢年金と父の遺族年金のみが収入の非課税、後期高齢者医療保険料と介護保険料のみを負担しています。母は税法上、社会保険上ともに、現状誰の扶養にも入っていません。2人の支出を抑える対応としては、母の健康保険は国民健康保険のまま、私は会社の社会保険に加入し、私が勤務先に出す「扶養控除等申告書」に母を「同居老親等」として記入し、私の所得税と住民税を抑える、ぐらいでしょうか?(母には私の生活費を毎月渡す予定)
対応方法が間違っている、あるいは他にも対応方法があるなどありましたらお教えください。
また、世帯分離する場合、税法上私の扶養に母を入れる際には扶養していることを証明するものが必要なのでしょうか?
税理士の回答
ご提案されている「母を会社の健康保険の扶養には入れず(後期高齢者医療制度のまま)、税法上の扶養控除(同居老親等)のみ対象にする」という方針は、制度上極めて合理的で正しい選択だと思います。
しかし、住民票の「世帯分離」と同居老親等の「扶養控除」を同時に成立させるには、税法上の「生計を一にする」という実態の証明において細心の注意が必要となります。
ご認識の通り、以下の組み合わせがベストな選択肢となります。
1. 社会保険(医療・介護保険)の対応
現状維持(母:後期高齢者医療制度 / あなた:勤務先の社会保険)が正解です。お母様は77歳であるため、法律上、どなたの健康保険の「被扶養者」にもなることはできず、単独で後期高齢者医療制度に加入します。また、お母様の収入である「遺族年金」は税法上も社会保険上も完全に非課税です。そのため、お母様の世帯所得は非常に低く抑えられ、お母様自身の医療保険料や介護保険料、万が一の際の医療・介護の自己負担限度額(高額療養費・高額介護サービス費など)も低所得者向けの優遇水準に保たれます。
2. 税法上の対応(所得税・住民税)
「給与所得者の扶養控除等申告書」にお母様を記載し、あなたの税負担を下げます。お母様の税法上の合計所得金額は、遺族年金(非課税)を除いた「老齢年金」のみで計算されます。老齢年金の額が基礎的な公的年金等控除の範囲内であれば所得は0円(または基準以下)となり、扶養控除の所得要件を満たします。条件を満たせば、あなたは「同居老親等」の扶養控除を受けることができ、ご自身の税金負担を大きく減らすことができます。
ご質問にある「世帯分離をする場合、税法上の扶養に入れる際に証明するものが必要か」という点について解説します。住民票を「世帯分離」する場合、税務署や勤務先から提出を義務付けられている公式な証明書(確認書類)は原則としてありません。しかし、税務調査などで尋ねられた際に「生計を一にしている(財布が共通である)」という実態を説明・証明できる準備をしておく必要があります。
市役所へ「世帯分離」をするということは、役所に対して「同じ住所に住んでいるが、生計(家計)は別々です」と申し出ることになります。一方、税務署(税金)への届出で「扶養控除」を受けるということは、「私とお母様は生計を一にしています(私が養っています)」と申告することになります。
住民票の世帯と税法上の生計は必ずしも完全に一致しなくても認められるケースがありますが、税務上の否認リスクを避けるため、以下の実態を作っておくことが強く推奨されます。
生活費の渡し方を明確にする(証拠を残す)
「毎月手渡しで生活費を渡す」形にしてしまうと、後から生計を一にしていた証明が困難になります。お母様の口座へ毎月決まった額を振り込む(通帳に記録を残す)、またはお母様の生活費(食費や光熱費など)の大部分をあなた名義のクレジットカードや口座から直接支払うなど、家計を実質的に支えている客観的な証拠を残せるようにしてください。
お勤め先によっては、社内規定の「家族手当・扶養手当」の支給条件として「同一世帯であること(住民票の世帯主が同じ等)」を求めている場合があります。世帯分離をすることで会社の諸手当が受け取れなくなるデメリットがないか、事前に総務や人事へご確認ください。
佐々木俊
お考えの方法で合っています。お母様を「同居老親等」として扶養控除等申告書に書けば扶養控除は58万円になり、所得税・住民税が下がります。健康保険は、後期高齢者医療の加入者を会社の健康保険の扶養に入れることはできない決まりなので、お母様 (77歳) は現状維持が正解です。
要件は、お母様と生計を一にしていることと、お母様の合計所得金額が62万円以下 (令和8年分。令和7年分は58万円) であることです。遺族年金は非課税で所得に入りません。老齢年金は65歳以上なら110万円まで公的年金等控除で引けるので、老齢年金が年172万円以下なら所得要件を満たします。
証明書類については、扶養控除の要件は「生計を一にしている」ことで、住民票の世帯が同じことではありません。書類の提出が求められているのは国外に住む親族の場合なので、世帯分離していても申告書に記載すれば足ります。生活費は手渡しではなく振込にして記録を残しておくと安心です。
本投稿は、2026年09月16日 12時06分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







