提出済みの確定申告の仕訳ミスを修正する方法
今年度の帳簿を確認中にミスを見つけてしまい、困っています。
1.2022年に青色申告を始めたため、不慣れで経費(クレジットカード)を計上し、引き落としの記帳が漏れていました。そのため賃借対照表(事業主貸)に100万単位のマイナスがあることが分かりました。どのように修正すればいいでしょうか。
2.2022年12月に事業用カードで下記の購入をし、記帳しました。
経費1,000円 貸方:通信費 借方:未払金
プライベート40,000円 貸方:事業主貸 借方:未払金
しかし、翌年1月時点で下記のように記帳していました。
経費1,000円 貸方:未払金 借方:普通預金(事業用)
プライベート40,000円 貸方:未払金 借方:普通預金(事業用)
プライベートのほうの仕訳ミスでしょうか。
売上には変更がないのですが、このミスが原因と思われる賃借対照表のマイナスが今年度まで響いています。
今年度分の確定申告の前に修正が必要でしょうか。あるいは修正以外に方法はあるでしょうか。
知識不足で申し訳ありませんが、ご教示いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答

石割由紀人
確定申告の仕訳ミスを修正する際には、正しい仕訳を適用して修正する必要があります。以下に具体的な手順と考え方をまとめます。
1. 未記帳の引き落としに関する修正方法
問題の概要
- クレジットカード経費の記帳漏れがあり、その影響で賃借対照表に事業主貸のマイナスが生じています。
修正手順
1. 記帳漏れを特定
- 2022年分の帳簿に戻り、漏れている引き落としを特定します。
- クレジットカードの明細書と帳簿を照合し、未記帳の支出を確認してください。
2. 修正仕訳を作成
- たとえば、引き落としが2022年分の支出であれば、以下の仕訳を行います。
- 引き落としが経費の場合
借方:未払金
貸方:事業主借(事業用口座で支払われた場合)または普通預金
- プライベート利用が含まれる場合
借方:未払金
貸方:事業主貸
3. 修正後の帳簿確認
- 修正仕訳を反映した後、賃借対照表を再確認してください。事業主貸のマイナスが減少するはずです。
2. 2022年12月のカード購入の仕訳ミス修正
問題の概要
- プライベート40,000円の記帳で、誤って「事業用普通預金」を使った仕訳をしてしまった。
修正手順
1. 正しい仕訳
- プライベート使用分は、事業主貸として処理するべきです。
- 修正仕訳の例:
(修正前の仕訳)
借方:未払金 40,000円
貸方:普通預金(事業用)
(修正仕訳)
借方:事業主貸 40,000円
貸方:普通預金(事業用)
2. 修正の記録
- 修正は、可能であれば2022年分の帳簿で行いましょう。年度を超えている場合でも、2023年の期首修正仕訳として記録することができます。
3. 確定申告への影響
- 売上や経費が変わらない場合、確定申告の修正申告は不要です。ただし、仕訳ミスが今後の賃借対照表に影響を及ぼす可能性があるため、今年度分の申告前に帳簿を修正しておくことをお勧めします。
3. 修正以外の方法について
問題の影響が今年度に及ぶ場合
- 今年度の賃借対照表が正確であれば、特に修正申告を行う必要はありません。ただし、以下の点を確認してください。
- 修正後、賃借対照表の「事業主貸」や「未払金」に不自然なマイナスが残らないこと。
- 次年度以降に同じミスが繰り返されないよう、仕訳ルールを見直すこと。
クラウド会計ソフトの利用を検討
- 手動でのミスを減らすために、クラウド会計ソフトを活用するのも有効です。
- 自動連携機能でクレジットカード明細を取り込み、仕訳を自動化できます。
まとめ
- 修正仕訳を適切に記録し、賃借対照表の「事業主貸」のマイナスを解消してください。
- 2023年度の帳簿の期首仕訳で修正することで、確定申告前に帳簿を正確に整えることが可能です。
- 売上や経費に影響がない場合、確定申告の修正は不要です。
本投稿は、2024年11月12日 11時23分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。