海外長期滞在者の確定申告
現在、海外を転々としながら投資やSNSビジネスで収益を得ています。
すでに住民票を抜いているのですが、その際の納税義務と納税先についてお伺いしたいです。
収益は年間500万ほどを見込んでいます。
現在は開業届を出さず事業を行なっていますが、今後の節税対策やビジネス拡大に伴う補助金等でメリットやデメリットを踏まえ、開業届(青色申告)を出すべきか、法人化すべきか、そのまま事業を継続するべきかご意見をいただけないでしょうか。
税理士の回答

石割由紀人
海外長期滞在者として、すでに住民票を抜いている場合の納税義務や納税先に関しては、以下のようになります。まず、住民票を抜いているということで、日本の税法上「非居住者」と見なされる可能性が高いです。非居住者は、日本国内で生じた所得、すなわち国内源泉所得についてのみ納税義務が生じます。あなたの投資やSNSビジネスの収益が日本国内での活動に基づくものか、国外での活動に基づくものかによって、日本での納税義務が変わります。
次に、今後の事業に関して開業届を出すべきかどうかについてですが、開業届を提出することで青色申告が可能になり、これは節税対策として非常に有効です。青色申告を行うと、最大65万円の特別控除が得られ、複式簿記を利用している場合の経費の管理や損失の繰り越しが認められるなどの利点があります。また、家族に支払った給与を必要経費として計上できる点も、節税に有効です。
法人化についてですが、法人化すると、法人税の枠内での節税手段が利用可能になります。法人にすれば所得分散ができるため、個別の税負担が軽減される可能性がありますし、また社会保険料の面でもメリットが生じるケースがあります。しかし、法人化には設立の手続きとコスト、会計処理の複雑さが伴うため、事業の規模や成長計画によって判断する必要があります。
そのまま事業を継続する場合、手続きの簡便さや管理の手間が少ないというメリットがありますが、税負担の軽減には青色申告程度のものしかありません。
以上のことから、収益が確実に年間500万円程度見込まれており、非居住者として日本国内での適切な納税を考えている場合には、持続可能な事業成長や節税対策を見据えて、青色申告の開業届を出すことを検討し、その後の収入増加次第で法人化を視野に入れる形が良いかもしれません。
本投稿は、2024年11月21日 19時14分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。