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年度またいでの退職金控除の適用方法について

現在59歳の会社員で、35年勤務。早期退職制度で11月末に退職予定です。早期退職に伴い、12月末に200万ほどの退職金が出ます。また、来年4月に60歳を迎えるので、401Kについて一括で受け取りをする予定ですが、こちらは結構な金額となります。
退職金控除を利用する際、5年ルール、19年ルールなどで年度を超えられないという記述を見ましたが、会社からは同一勤務に関する支払であるから、退職金控除は使えるだろうとあいまいな回答です。退職金控除を両方の支給で利用する、または来年の401Kに適用することは可能でしょうか。また、可能である場合、どのような処理やエビデンスをそろえておけば良いでしょうか。不動産収入があるため、確定申告は毎年行っております。

税理士の回答

・結論
11月退職金200万円も、来年4月の401k一時金もどちらも退職所得控除の対象 になります。
年度(年)をまたぐこと自体は問題ではありません。
35年勤続だと退職所得控除は概算で
40万円×20年+70万円×(35−20年)=1,850万円 ほどあります。
先に受ける200万円はこの枠のごく一部に過ぎず、その後の401k一時金にも、まだ十分な控除枠が残るケースがほとんどです。

・5年ルール・19年ルールの考え方
5年ルール
同じ会社の同じ退職に伴って、5年以内に複数回退職金を受けるときは、「別々の退職金」ではなくトータルで一つの退職 として扱い、退職所得控除の総額を按分する趣旨です。
→年をまたいでも、同じ勤務に対応する支給なら控除自体は使えます。
19年ルール(企業年金・401k側)
企業年金・401k一時金については、「その年と前19年以内」に他の退職金があるとき、勤務期間が重なる部分について 控除を二重に使えないように調整する仕組みです。
→ただ、今回のように最初の退職金が200万円程度であれば、もともとの控除枠(約1,850万円)と比べて消費する部分はごく小さく、401k側の控除が大きく削られて「損になる」ケースは考えにくいです。

実務上そろえておくべき書類
確定申告で安全に処理するには、次の3点を準備しておくと安心です。
今回の退職金の「退職所得の源泉徴収票」
→勤続年数・支給額・源泉税額が記載されたもの。
401k(企業型DC)の加入期間が分かる書類
→加入者期間通知・残高証明など、運営管理機関からの書類。
可能であれば 退職辞令や就業規則の写し(早期退職制度であることが分かるもの)
これらをもとに、退職金:35年勤続として退職所得控除を適用
翌年の401k一時金:企業年金の加入期間を基に退職所得控除を計算し、前回分との重複期間を調整という形で申告することになります。

・まとめ
「年度をまたぐから退職所得控除が使えない」「4年分しか控除がない」といった説明は制度上誤りです。
実際には “控除の総枠 - 5年前後の調整” という考え方で、今回の200万円程度なら控除枠を食い尽くす心配はまずありません。
とはいえ金額が大きい論点ですので、上記書類をそろえたうえで、退職金専門の税理士か税務署で具体的な試算を受けてから受取方法(一時金か年金か)を決めるのが安全です。

良波先生、丁寧なご回答ありがとうございます。諸々クリアになりました。できる限りの書類をそろえて、確定申告に臨みたいと思います。

本投稿は、2025年11月04日 09時29分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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