退職時の競業避止補償金の税務上の扱い(退職所得、一時所得、雑所得)
競業避止補償金が何ら役務を要しないために、企業からの贈与とみなして一時所得として認識したいというご相談です。
長年の会社の不正を止めたことで社長に恨まれ、先日退職されられました。その時の手切れ金は平成30年の所得となります。しかし、その手切れ金は、退職合意書において競業避止補償金と記述されたことから、所轄の税務署では退職所得として認められませんでした。
競業避止補償金という名目は将来の遺失利益を補償するものであるという意味で、非常に強力です。退職を契機に支払われたものとして、退職合意書の中に記述されていても、退職所得の意味合いは消え去ってしまうようです。会社は退職所得と認識していませんので、源泉徴収票も発行されていません。
クビにされた上に、雑所得にされては課税負担が重いので、一時所得とする理論武装に一縷の望みをつないでいます。法人からの贈与と考えることで一時所得として認識することは可能でしょうか。競業避止とは言っても、何ら役務提供をするわけではありません。また、ニッチ市場での独占企業であることから、実際には競業は存在しません。どこに転職しても厳密に競業であるとは言いにくい会社です。つまり、実質的には贈与と何ら変わりはないと。
税務署の担当官も退職所得に思えると言ってくれたものの、上席の統括官の主張には抗えず、退職所得とできなかったことを申し訳ないと言ってくれました。雑所得という結論を出す前に、一時所得として考えることができるならば、理論武装を十分に行うことで、一時所得としてトライしてみたいと考えています。
誠実に生きる者に、何卒お力をお貸しください。
税理士の回答

一時所得とは、労務または役務提供の対価としての性質を有しない一時の所得であるため、同業他社へ一定期間就職しないことの対価としての競業避止補償金であるならば、一時所得に該当するように思います。
法人から贈与された金品であっても、業務に関するものは除かれます。
早々にアドバイスありがとうございます。国税庁の一時所得についての例示に、懸賞や生命保険満期金などがあり、そうした例と並んで明示されていれば安心なのですが、杓子定規で上司のいうことに従う方々ですので、容易に雑所得とされそうで心配です。何か明確に参照できる通達や判例のような文言はないものでしょうか。

申し訳ありませんが、回答が誤っていたので訂正します。
補償金が、役務提供の対価と認められる場合は、一時所得ではなく、雑所得となります。
杓子定規のお考えはわかりますが、税務当局は法律や通達を厳格に解釈し仕事をしていますのでご理解ください。
最近、競馬の外れ馬券の必要経費算入が裁判となっています。一時所得か雑所得かの争いです。通達には一時所得の例示として競馬のあたり馬券が載っています。
お忙しいところ、恐れ入ります。役務提供の対価かどうかという点については、質問の原点に戻ります。競合避止補償金を受け取るにあたっては、なんら役務を要しないので、一時所得ではないかと申し上げております。

役務提供の対価をどのように考えるかだと思います。
契約書等を拝見していないので具体的な契約内容がわかりませんが、一般的に、競業避止補償金は、同業他社に一定期間就職しないことの対価、見返りであるとすれば、役務提供の対価としての性質を有するため、雑所得と考えます。
税理士の先生でも判断が変わる事例の少ないテーマであり、一般的な回答を文書でいただくことは希望いたしません。税法を逸脱した行動をとろうとしているかのような印象を増長してしまうためです。納税者の立場に立ったご意見を希望いたします。

言い訳をさせていただければ、判断が変わったわけではなく、「一時所得に該当しない」を「該当する」と誤って記載したことは、前段の文章から明らかだと思います。
繰り返しになりますが、契約書などを拝見していないので、正確な判断は下せません。あくまで一般論のお話です。
専門家に資料を見せてご確認ください。
競馬の外れ馬券の例もあり、最終的に白黒をつけるのは裁判官です。
本投稿は、2018年05月15日 17時07分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。