過年度申告における株式配当の扱い
課税通知発送後の過年度申告をした際の住民税における株式配当の扱いついての質問です。
これまでの過年度申告では、株式配当は住民税の所得に算入されていませんでしたが、令和5年度分の申告より所得税と住民税の申告内容を合わせることになったので、過年度申告であっても住民税の所得に算入されるとの見解を自治体から伺っています。
私としては、「所得税と住民税の申告内容を合わせる」ことの意味は、あくまで住民税における申告不要制度がなくなっただけで、課税通知発送後の過年度申告における株式配当が所得に算入されないとの規定に変更はないものと考えますが、税理士の観点から見ていかがですか。
税理士の回答
結論から申し上げますと、自治体の見解が正しいかと存じます。
令和5年分以降、所得税と住民税の課税方式を完全に一致させることが義務付けられました。
お考えの「住民税における申告不要制度がなくなっただけ」というのも一つの側面ですが、旧制度下で「課税通知発送後の申告は住民税の所得に算入されない」とされていた法的根拠自体が、「通知発送後の申告は、住民税において申告不要を選択したとみなす」という地方税法の取扱いに依存していたためです。
課税方式の完全一致がルール化された現在、この例外規定も適用されません。
つまり、課税通知発送後の過年度申告であっても、所得税側で配当を申告(総合課税または申告分離課税)した以上、住民税もそれに連動して所得に算入され、後日税額変更が行われることになります。
回答は以上となります。
ご参考になりましたら幸いです。
令和5年度分の申告より所得税と住民税の申告内容を合わせることになった
配当金は、以前は
① 所得税……申告、住民税……申告
② 所得税……申告、住民税……申告不要
③ 所得税……申告不要、住民税……申告
④ 所得税……申告不要、住民税……申告不要
のいずれかを選べました。
でも、現在は
① 所得税……申告、住民税……申告
④ 所得税……申告不要、住民税……申告不要
のいずれかしか選べません。
過年度の申告であっても同じです。
住民税は、所得税の課税に合わせることになります。
住民税の申告不要制度はありますが、所得税と合わせることになるので、所得税を申告不要の選択した場合だけ、住民税も申告不要になります。
確かに以前は、所得税は申告するけれども、住民税は申告しないという事が株式譲渡の申告では選択できましたよね。
また、従来の「課税通知(納税通知書)の発送・送達後は、後から確定申告をしても住民税の所得に算入されない」という取扱いは、旧地方税法に存在していた「納税通知書が送達される時までに、所得税と異なる課税方式を選択する申告をしなければならない」という要件(旧地方税法第32条等)に基づいていました。これは、「送達までに住民税の申告(または異なる方式の選択)をしなかった場合は、自動的に住民税側で『申告不要(源泉徴収のみで完結)』が確定し、後からの変更を認めない」という一種のシャッター(締め切り)効果を持っていたためです。
しかし、令和6年度(令和5年分)からは、この「所得税と異なる課税方式を選択できる制度」そのものが法律から削除され廃止されました。
所得税の確定申告書がそのまま住民税に直結するため現在の地方税法では、「所得税の確定申告書が提出された場合は、原則としてその申告書に記載された内容に基づいて住民税を算定する」という大原則(地方税法第313条第1項など)だけが残っています。「異なる方式を選択する要件(=送達前という期限)」という例外規定が消滅したため、過去に遡って(過年度として)所得税の確定申告・修正申告を行った場合、時期がいつであれ、そのデータがそのまま自動的に住民税の所得に反映(算入)される仕組みに変わりました。
ご自身の「住民税における申告不要制度がなくなっただけ」というご認識は一見正しいように思えますが、法的には「送達後であれば後から申告しても算入されない(申告不要のままロックされる)」という防壁となっていた旧規定の効力も一緒に消滅しているという点が落とし穴となります。
したがって、現在において令和5年分以降の過年度について所得税の確定申告(還付申告など)を行うと、意図せず住民税側で配当所得等が上乗せされ、様々なデメリットが生じるリスクもあります。
竹中公剛
税理士の観点から見ていかがですか。
法律は奇々怪々です。
難しいです。
本当に悩みます。
本投稿は、2026年06月19日 09時07分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







