漫画アシスタントの確定申告について
確定申告の仕方を教えて頂きたいです。
2018年2月末で勤めていた会社を退職し、一人暮らしから実家に引っ越し、5月からフリーで在宅の漫画アシスタントをはじめました。
5月~7月の実績として、4~5人の作家さんからおよそ毎月合計20万円程度(例:A先生から6万円、B先生から2万円~という感じで、源泉徴収はされてない形で)お金を頂いています。
アシスタントの仕事は今後も安定的に入りそうなので、国民健康保険や住民税、国民年金を収めたとしても年収として100万円を超えることは確実だと思います。これまで確定申告などをしたことがなく、青色とか白色とかふわっと名前だけ知ってる程度の知識しかありません。
お手数おかけして申し訳ございませんが、今の私の状況でどのようにすれば良いか、ご教示頂けますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答

岡本好生
アシスタントの収入が給与なのか事業収入なのかで申告の方法が全く変わってきます。
① 給与
給与として支払われているのでしたら、一定金額を超えると源泉税の対象になりますし、年末に源泉徴収票をもらいます。
この場合は源泉徴収票を合算する形で確定申告をします。
② 事業収入
個人事業者として確定申告します。
まず、給与である可能性が高いと思われますが、「給与としてもらっているのか下請け事業者としてもらっているのか、給与の源泉徴収票をもらえるのかどうか」を確認したうえで、もう一度ご相談されるのがいいと思います。

漫画アシスタントの収入が雑所得の場合、収入金額-必要経費=雑所得となります。
No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1350.htm
上記の事業所得と考え方は同じなので、ご参照ください。
平成30年分の確定申告は、2月までの給与と雑所得の申告になります。
岡本好生様 富樫修一様
ご回答いただき、ありがとうございます。
丁寧なお返事に感謝いたします。
加えてお尋ねさせていただきたいのですが、
それぞれの作家さんに問い合わせたところ、
作家さんの方も漫画のお仕事始められたばかりで、給与か事業収入か、
どっちがいいですか?みたいな感じでして…
どちらで受け取った方がよいでしょうか?
また、今後小規模企業共済や文芸美術国民健康保険組合への加入を検討しています。
私のような規模感での漫画制作業においても開業届を出して青色申告をしてもよいのでしょうか…?初歩的な質問ばかりで申し訳ございません。ご回答頂ければ幸いです。
よろしくお願いいたします。

岡本好生
給与所得の場合は給与所得控除といって、実際には経費がなかった場合でも一定の金額を経費とみなして控除できます。
それに対して事業所得の場合は実際に使った経費を控除します。
どちらが有利かは実際に使える経費の水準によります。
一般的に言うと収入の低いときにはたくさんの経費を使えないので給与形態のほうが税金が低く、収入が大きくなると経費をたくさん使えるので事業所得のほうが税金が低くなる人が多いのかもいせん。
税法の規定は給与所得と事業所得を選択可能である考えているわけではなく、雇用契約の場合は給与所得、請負契約の場合は事業所得という考え方です。
漫画家のアシスタントの場合は、細々とした指示のもとで作業が行われ、机や作画道具も漫画家さんが負担するのでしょうから実態は雇用契約であることが多いと思います。
事業を始めるときは規模が小さい方が多いです。開業届、青色申告ともに大丈夫です。
もう一点、個人事業の場合は労働基準法等上の保護や雇用保険への加入もないので強い独立心が必要です。

開業届と青色申請で、事業所得で問題ないと思います。
岡本様 富樫様
早速のお返事ありがとうございます。
作家様の方も、きちんと経費やら何やらを計上しているようではない感じの方も
いらっしゃって、双方ともにどうすればいいんだろう状態でして…
①
私自身のアシスタント作業の現状ですと、
在宅でネット上でデータをやりとりして制作作業をさせて頂いております。
従って、机や作画道具は自前のものを使用しているので、
この場合は請負契約とみなされるでしょうか…?
②
個人事業主の請負契約と仮定した場合、使える経費の水準はいくらぐらいであれば有利となりますでしょうか?
また、岡本様の回答に
>収入の低いときにはたくさんの経費を使えないので給与形態のほうが税金が低く、収入が大きくなると経費をたくさん使えるので事業所得のほうが税金が低くなる人が多い
とありますが、
③
私の場合ですと恐らく収入が低い方であると思いますので、現段階では作家さんの方から「給与」として源泉徴収された形で受け取った方が、税金が低くなる可能性が高い、ということでしょうか?
さらっと調べた程度ですが、事業所得と給与所得についてはグレーゾーンなのですね…
④
例えばですが、作家さんすべて一律に事業所得として受け取るのと、月に10万円のお仕事を頂く作家Aさんからは給与所得、月に1万円のお仕事を頂く作家Bさんからは事業所得、というような、金額によって受け取り方が違ったりする場合だと、税額に違いはでますでしょうか?
⑤
開業届を出した個人事業主が事業所得と給与所得を同時に申告することに何か問題があったりしますでしょうか?
ひとまず質問事項のところに番号を振ってみました。
仮定の話ばかりで、質問内容も不明瞭で、プロ方からしたら初歩の初歩な質問ばかりかと思いますが、もしまたお時間頂けるようでしたらご回答頂けますと幸いです。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

岡本好生
①請負契約的ですね
②給与収入100万円だと給与所得控除65万で所得35万、事業収入100万円で経費の支払い65万円で所得35万円、どちらも税額は同じですが、どちらが現実的でしょう。家計費として使える金額が給与の方が圧倒的に大きいですね。税金を少なくすることより手取を大きくすることが大事ですよね。
③そういうことです。②の例をお考え下さい
④実際に使わざるをえない必要経費程度の請負収入があれば、この請負収入分は所得ゼロになります。事業所得というより雑所得といったボリュームでしょうが。
⑤並行することには問題はないと思います。ただ、契約書を作成することは必須ですし、契約内容と契約実体が矛盾しないよう留意してください。税務署は④のように税額を調整できること自体を問題視するでしょうから。
似たような仕事の仕方であるにもかかわらず所得の区分を変えている理由を説明できなければなりません。報酬の計算の仕方が違うとか、指揮命令の方法が違うとかですね。ただ契約書だけを変えるようなやり方はお勧めしません。
本投稿は、2018年08月01日 07時44分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。