アメリカ人の主人。日本人の妻の確定申告について質問
主人は6年前に配偶者ビザをとりました。住民票も日本にあります。ですが主人の仕事は海外でお給料も海外の企業から頂いています。日本での収入はありません。税金もすべてアメリカでしています。家族が日本にいるため、日本には年に1か月。多くて2か月ていど休みがとれたときに帰ってきます。
役所の方から税務署にいってもらいたいと言われて初めて確定申告をしたんですが、居住者、非居住者。主人のおもな生活は海外なんですか、居住者にあてはまりますか?
住民税、国保税が10倍ほどあがり、困惑しています。
税理士の回答

回答します
ご主人のお仕事は、海外に会社に雇用されているとのお話ですので、日本の「非居住者」に該当すると考えられます。
居住者、非居住者の区分は、その人の「住所=個人の生活の本拠」が国内か国外かにより判断され、その人の生活の本拠地がどこであるかは、職業などにより「住所の推定」を行います。
そこで、「国内に「住所」を有しないと推定する場合」として、
「その者が国外に、継続して一年以上居住が必要とする職業を有する」場合には、
【蛇足】
非居住者であっても日本滞在期間における「給与」は実は日本に課税権が生じます。
ただし、日米租税条約においては、年間183日以上滞在していない場合は「短期滞在者」に該当し、日本での課税はされないこととなっています。
いままで、申告などをしていた場合には、誤りであったとして税務署にお尋ねください。ただし、その場合はご主人の居住者証明書(IRSにて発行)が必要になると思います。
※通常「短期滞在者免税」は「租税条約の届出書」を提出することで免税となりますが、報酬の支払者が国外のため提出ができません。
日米租税条約第14条第2項の「短期滞在者」免税における正確な記述をお伝えします。
(a)当該課税年度において開始又は終了するいずれの12ヶ月の期間においても、報酬の受領者が当該他方の締約国内に滞在する期間が合計183日を超えないこと。
(b)報酬が当該他方の締約国の居住者でない雇用者又はこれに代わる者から支払われるものであること
(c)報酬が雇用者の当該他方の締約国内に有する恒久的施設によって負担されるものでないこと。
※「他方の締約国」とは日本のことです
国税庁HPの居住者・非居住者の区分についての説明個所を、参考に添付します。
タックスアンサーNo2875「居住者・非居住者の区分」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2875.htm
別紙「住所の推定」 ※「2」の①が説明箇所になります。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2875-1.htm

追伸
一番大事な説明の文章が途中で切れていましたので改めて記載します。(文章の見直しの際に謝って投稿ボタンを押してしまいました)
「その者が国外に、継続して一年以上居住が通常必要とされる職業」を有する場合には、「国内に住所を有しない者=非居住者」と推定されます。
以上です。申し訳ございませんでした。
米森まつ美先生詳しくありがとうございます。税務署に電話したんですが、主人は船にのっており、船は非居住者には該当しないそうで、家族も日本で生活しているし、主人も居住者になります。っと言われました。
船は例外なんですか?

回答します。
船員の場合は考え方を整理しないといけません。
住所=生活の本拠 が「国内であれば居住者」、「国外であれば非居住者」になるとの大前提は変わりません。
そこで、船員の方の場合の、「生活の本拠」を考える時に、東京地裁平成21年1月27日判決において次のような説明があります。(少し割愛しています)
「遠洋業業船など長期間国外で運行する船舶の乗組員は、通常その船舶内で起居するため、その生活の本拠が国内にあるかどうかの判断にあたって、国内の一定の場所がその乗組員の生活の本拠地の実態を具備しているかに否かを、その者に関する客観的な事実を総合考慮し、社会通念に照らして判断すべきである」とされています。
そのうえで、「具体的には、その乗組員が生計を一にする配偶者や家族の居住地がどこにあるかなどの客観的事実を総合して判断するのが相当」としています。
生活の本拠地といえども、「船内生活」はそこには含まれず、言ってみれば「帰るべき家」がある場所こそが、その者にとっての「生活の本拠」と判断されたと考えられます。
そこで、奥様やご家族が日本国内の居住していることから、税務署では、ご主人は日本の「居住者」と判断されているものと推察いたします。
参考にしてください。
米森まつ美先生詳しく説明ありがとうございます。やはり、居住者になるんですね。
これから住民税・国保税を来年3月までにとても納められる金額ではなく、二重生活なのにどうやって支払いしたらいいのか頭がパニックです。

心中いかばかりかと、お察しします。
万が一、米国の居住者にも該当し「双方居住者」に該当する場合は、改めて税務署にご確認ください。
米国の非居住者の場合、同じ所得に課税されるため二重課税の防止から「外国税額控除」が受けられる可能性もあります。併せて確認されることをお勧めいたします。
米森まつ美先生、何度も返信頂き本当にありがとうございます。税務署に連絡してもまたあなたですか。みたいな対応で、こちらも必死に色んな事を調べ電話してるのに、先生のおかげで少し元気がでました。ありがとうございます。

ベストアンサーを有り難うございます
国税OGとして、後輩の対応代わりにお詫びします。
もっと、根拠を示して説明すべきところ申し訳ありません。
現在、相談対応が変わり、電話による相談は一般的なお話になっています。
双方居住者となっている場合での相談は、事前予約をした上で、面談による相談が良いかもしれません
本投稿は、2020年10月02日 02時14分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。