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認知症家族口座からの預金移動について(贈与税)

2011年に母が認知症で施設に入居しました。
その前の年、2010年に車椅子生活になり、入退院を繰り返し、母より自分では生活費の管理が難しい為、私の方で管理をしてほしいとの申し出があり、母の預金管理用に私の口座を新しく作り、2016年に母が亡くなるまでの間、母の口座から私の口座に必要になるであろう金額を前もって下ろし、一旦自分の口座に入れ、そこから母に関する必要経費を出していました。その時の母にかかった経費の領収書等は手元にとって管理してます。また認知症になる前の預金管理を頼まれた際に、母より遠方の為、車代として400万円は使いなさいと言われ、車を購入しています。母の為の経費と車代をあわせると母の口座から自分の口座に移動した金額が約1400万円になります。
今回不動産を売却し、確定申告の為に色々調べていたところ、2011年に母が認知症になった時から亡くなるまでに、母の口座から自分の口座に移した行為が、贈与と見なされるのではと心配になり、相談しました。また贈与になる場合、1年で110万円をこえて口座に移している年が2011年と2016年の2年間分、確認できました。
贈与になる場合は延滞税がかかると記載があり、とても不安です。
大変長くなりましたが、ご教授いただけると幸いです。

税理士の回答

 支出に係る領収書を保存しているのであれば、お母さんの口座から出金した金額を収入とし、お母さんに必要な経費を支出として収支を記録しておけば贈与とはなりませんが、それ以外の目的で支出した金額は贈与となります。もちろん車の購入代金も贈与財産となります。各年の贈与額が110万円を超えた場合は贈与税の申告が必要です。
 また、お母さんはお亡くなりになられたとのことですが、もし、お母さんの財産合計額が相続税の基礎控除額3,000万円+600万円×法定相続人数で計算した金額を超える場合には死亡後10ケ月以内に相続税の申告が必要となりますが、その際の相続税の課税財産に死亡前3年以内に贈与を受けた財産の価額を相続財産の価額に加算して相続税を計算する必要があります。
 また、あなたがお母さんから預かった金額から死亡までに支出した金額を差し引いたあなた名義の預金も相続税の課税財産となります。

とても分かりやすいご解答をいただき、ありがとうございます。
もう少し質問させてください。車を購入した年(2011年)が1年で110万円をこえている為、申告が必要かと思いますが、その場合は現時点で納税が完了していない為、贈与税と共に延滞税が発生するのでしょうか?延滞税の計算方法が分からず、いくら来るか心配です。
また最終的に母の残した財産に母の口座から移動した金額を合計すると900万円になります。
その場合、母の財産合計額が相続税の基礎控除額3,000万円+600万円×法定相続人数で計算した金額をこえない為、申告は不要になるのでしょうか?

 国税に関する国(税務署)の徴収権の時効は5年ですが、贈与税の徴収権の時効は6年です。したがって、2010年の贈与については国の徴収権は時効により消滅しています。よって贈与税の申告は不要です。また、相続税についても、遺産額が基礎控除を超えなければ申告不要です。

お返事ありがとうございます。先生のおかげで安心しました。1人で考え込むより、早く相談すべきだったと思いました。
本当にありがとうございました。

本投稿は、2023年05月15日 22時35分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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