立退料の税務についての質問
札幌在住の年金生活者ですが,30年前に親と住んでいた東京の2世帯住居の土地を,父親の死亡に伴い相続しました。その後,自身の移住にともない,自身が住んでいた部分は娘が住んでおり,親が住んでいた部分は妹が住んでいます。自身が住んでいた建物部分と土地の所有者は自身のままで,妹が住んでいる部分の所有者は妹です。この度,建物老朽化と娘家族の子が増えたことにより,立て替えて,妹には立ち退き料を支払って退去してもらうこととなりましたが,立退料の税務について教えて下さい。
立ち退き料の中身は,立ち退きに伴う引っ越し代や本格的な転居先が決まるまでの一時的に住む住居の費用の予想費用と,妹居住部分の固定資産評価額から構成されると思いますが,妹から見た税法上の分類は何でしょうか?また,自身が居住していない建物の建て替えを前提とすると,建て替えそのものは娘負担なので,私が払う立ち退き料は娘への贈与になりませんか?更に,築年数が40年近いため,建物評価額の市場相場はかなり低いため,固定資産税評価額を使って立ち退き料を支払うと,妹に対する贈与とみなされないか心配です。
税理士の回答
【結論】
結論から申し上げますと、妹様に支払う立退料は、その性質に応じて「譲渡所得」「一時所得」に分類されます。適正な金額であれば贈与には該当せず、質問者様から娘様への贈与も生じません。
【理由】
理由は以下の通りです。
・本件では、妹様は建物の所有者であるため、立退料のうち建物の対価に相当する部分は、妹様にとっては自己所有建物の譲渡に該当し、譲渡所得として課税の対象となります(所得税法33条、所令95条)。なお、土地建物等の譲渡所得は分離課税となります。ただし、居住用財産の譲渡として3000万円の特別控除の適用可能性があります(租税特別措置法35条)。
・引っ越し代や仮住まい費用等の移転に伴う実費相当額は、一時所得として課税の対象となります(所基通34-1(7))。一時所得には50万円の特別控除があるため、他の一時所得と合算して50万円以下であれば実質的に税負担は生じません。
・立退料が「社会通念上相当」と認められる金額であれば、質問者様から妹様への贈与にはなりません。固定資産税評価額は市場価値を下回ることが一般的であり、これを基準としても直ちに贈与とみなされることはありません。ただし、市場価額と著しく乖離している場合は、その差額について贈与税の課税リスクがあります(相続税法7条)。
・質問者様が立退料を負担し、建て替えを娘様が行う点についてですが、質問者様は土地所有者として正当な理由で立退きを求めており、その対価として立退料を支払うことは贈与には該当しません。娘様が建て替え費用を負担するのは、娘様自身が居住する建物を新築する行為であり、質問者様から娘様への利益供与には当たりません。
【具体策】
具体的には、以下の対応が考えられます。
1. 建物の固定資産税評価額に加え、周辺の類似物件の取引事例等を参考に、客観的な市場価額を算定し、立退料の金額を適正化する。
2. 立退料の支払いに際しては、立退合意書を作成し、立退料の内訳(建物対価・移転費用等)、支払時期、退去期限等を明確に記録する。
3. 引っ越し代や仮住まい費用については、領収書等を保管し、実費であることを証明できるようにする。
【注意点】
ただし、以下の点にはご注意ください。
・妹様の居住用財産の譲渡として3000万円特別控除を適用するには、妹様がその建物に居住していた期間等の要件を満たす必要があります。また、質問者様と妹様は兄妹関係にありますが、措法35条の適用除外となる「親族間取引」に該当しないか確認が必要です。
・立退料が高額になる場合、妹様のその年の所得税負担が増加する可能性があるため、事前に税額試算を行うことをお勧めします。
・質問者様と妹様の間で金銭の授受があった事実を証明するため、銀行振込等の履歴を残すことが重要です。
・かなり複雑でまったく資料も見れていない中での回答ですので、判断に間違いが含まれていると思われます。
内容的に確実に税理士にご相談された方がいいと思います。
本投稿は、2026年02月27日 15時17分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







