個人事業主の夫の経費を妻の口座から支払った場合には贈与になるか?
夫婦で個人事業を営んでいます。夫は個人事業主、妻は青色専従者として届けています。
妻名義のカードを使って経費を支払い、妻名義の口座から引き落としされた場合に、帳簿には、
経費/事業主借
という仕訳を行っていましたが、このお金は夫婦間の贈与となってしまうでしょうか?
妻名義の口座は2種類ありまして、
1.事業用の口座として開設し、お金の実質的な所有者は事業主である夫
2.もともと妻の口座で、お金の所有者も妻
となっています。
もし贈与となってしまうなら、その金額分を夫の口座から妻の口座へ返金すれば良いのでしょうか?
借用書なども必要なのでしょうか?
夫婦二人三脚で事業をしてきて、主人のお金か妻のお金か、区別があるなんて思ってもみませんでした。
どうかお教えください。
税理士の回答
こんにちは。
まず、奥様の口座から事業用経費を支払った場合の仕訳は、「事業主借」を使用せずに、以下の仕訳を起こしてください。
借方 貸方
経費 〇○○ 円 / 奥様の名前借入金 〇○○円
つまり、この経費は奥様が支払ったよという主張が今仕訳でできます。そして奥様に経費相当額を支払ったときに以下の仕訳を行います。
借方 貸方
奥様の名前借入金 〇○○ 円 / 現金預金 〇○○ 円
これで問題はありません。
なお、返済をずーっと怠りますと、贈与と認定される可能性がありますので注意して下さい。
余談ですが、事業用口座として奥様名義の口座を持たれているようですが、相当な理由がない限り、そのようなことはおやめになられた方が宜しいと思います。
税務署の視点ですが、個人事業主名義以外の口座を開設し事業用として使用している場合、売上金の除外等を疑われます。
余計なことかもしれませんが、あらぬ疑いを掛けられても宜しくないのではないかと思います。
もしも、私が税務署職員で相談者様の個人事業に調査に入ったときに、この事実が判明しましたら、家族全員の預金通帳の提示を求めます。単純な理由ですが、奥様名儀の口座を事業用に使用しているということは、家族名義の口座を使用している可能性も疑って調査するのは当たり前ということになります。
そうなりますと、調査期間も長くなりますし迷惑でもあります。
そのような理由から、奥様名義の口座を利用するのは好ましくないとの説明でした。
ご検討をお願いいたします。
ご回答ありがとうございました。
余談のお話もとても為になるお話でした。
夫婦の共有財産と思い一緒くたになってしまっていました。
本当にありがとうございました。
本投稿は、2021年09月12日 15時06分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。