太陽光発電事業の土地賃貸借契約満了後の土地返還時の地主の課税関係について
これから太陽光発電事業用地として権利金等の授受もなく賃料のみで20年間土地を貸す予定です。個人間の契約で賃借権設定登記もします。
太陽光発電施設は借地借家法の借地権「建物を所有する目的の地上権又は賃借権」には該当しないと太陽光発電設置業者から聞きました。
ですので、20年後土地を無償で返還されたとしても借地権がないので地主には課税関係は発生しないとの説明も受けました。これは間違いないでしょうか?
また、借地借家法の借地権には該当しませんが所得税法の規定では「建物および構築物の所有を目的とする地上権又は賃借権」となっているので太陽光発電施設には太陽光パネルだけでなくフェンス等の構築物もある為、借地権が発生し20年後、土地の無償返還を受けた場合借地権相当額の受像益を受けたものとして贈与税が課税されることはないでしょうか?
税理士の回答
(1)賃貸時の課税関係について
権利金の認定課税は、借地権・権利金の設定に際し、通常権利金の授受をする慣行があることが前提となります。したがって、その土地の使用目的に照らして通常、権利金を授受しないことが正常な取引である場合には、認定課税が行われることはありません。
参考 法人税法基本通達13−1−5
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/13/13.htm
今回のケースは個人間ですので、本来は相続税法及びその通達に根拠があれば良いのですが、直接規定したものはありません。
具体例として、①単に物品置場、駐車場等として土地を更地のまま使用する場合②仮営業所、仮店舗等の簡易な建物の敷地として使用するものの場合に似は、慣行がないものとして考えます。
今回のケースでも太陽光発電用地ですので、権利金の授受をする慣行はないものであると考えられますので、借地権の認定課税はありません。
(2)土地返還時の課税関係について
当該土地の使用の目的が、単に物品置場、駐車場等として土地を更地のまま使用し、又は仮営業所、仮店舗等の簡易な建物の敷地として使用していたものである場合には、借地借家法の適用はなく、また、その権利も単なる債権にとどまるため、権利金の授受は行われないのが通常で、無償で賃貸借契約を解除しても、立退料の認定課税(権利金相当額の受贈益課税)を受けることはありません。
したがって、今回のケースでは土地返還時も立退料の認定課税を受けることはありません。
根拠 所得税法基本通達59-5(2)
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/12/02.htm
本投稿は、2017年06月28日 16時55分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。