死亡保険金の特別受益について
先般帰省した際に父親から財産分与について話をされました。私は兄と二人兄弟ですがそれぞれ持ち家があるので同居はしていません。父親85歳、要支援2とのことですが、認知症はなし、日常生活は問題なし。
現在父と兄は母が亡くなって以降2年ほど絶縁状態にあり、その状況を鑑みて預貯金の3/4にあたる3,000万ほどを私に渡すつもりだとのことでした。
ですので現在の遺産総額は不動産(自宅)+預貯金4,000万という想定で質問します。
相続税対策として、私に渡されるという3,000万のうち、
①1,000万...死亡保険金(受取人 私)
兄には内緒です。
②1,000万…妻と孫(私の子)への暦年贈与
③1,000万…父が施設に入ったときの預り金
という形で現状は考えています。
③については最終的にどうするか(兄に報告して分配するか、相続時精算課税制度を使って贈与にするかを含め)、今後変わってくると思います。
不動産は兄が同じ市内に住んでいますので私は相続しないつもりです。ただ②③もあることを踏まえるとこの場合著しく不公平に見えるのですが、①は特別受益になるのでしょうか?
また何か父親と覚書などを交わしておくなどのアドバイスを頂けたら幸いです。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答
死亡保険金は原則として、特別受益にはなりません。民法上の相続財産には該当しないからです。しかし、例外的に特別受益として取り扱われるケースもあります。判例によると、著しく不公平が生じる場合には、特別受益に該当すると判示したケースがあります。
・生命保険金の金額
・生命保険金の遺産総額に対する割合
・生命保険金の受取人である相続人及び他の相続人と被相続人との関係
・各相続人の生活実態
これらの諸要素を総合考慮した結果、共同相続人の間に著しい不公平が生じる場合
H17・10・27 東京高裁 判決
H18・3・27 名古屋高裁 判決
以上のとおり生命保険金は原則、特別受益にならず、また、民法上の相続財産にもなりません。お父さんの意思が固まっているのであれば、最良の方法は「遺言書」を作成することです。「自筆遺言」と「公正証書遺言」があります。遺言書には生命保険金の記載は不要です。
早速のご回答ありがとうございます。
遺言書については慎重に検討します。
本投稿は、2023年04月26日 13時23分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。