税理士ドットコム - [生前対策]認知症の親からの生前贈与は、税務署から否認されますでしょうか - 生前贈与が否認されるかどうかを一般論で議論する...
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認知症の親からの生前贈与は、税務署から否認されますでしょうか

よろしくお願い致します。

5ヵ月前、父(80代)は中等度の認知症と診断されました。現在の症状としては、物忘れが多い程度のみであり、身の回りの事、私及び他人との意思疎通(会話)に問題はありません。また、自分が認知症であること、高齢であることも自覚しており、認知症が進まない内に相続税対策しておきたいとの意思があります。

父と話し合った結果、生命保険や生前贈与などの相続税対策の手続きは終わらせました。贈与関係に対しては、父同席の元で公正証書贈与契約書も作成済みです。また、保険会社や銀行での手続きは父同席の元で行いました。

ここで質問がございます。
将来、父が亡くなり相続が発生した際、既に認知症であったことを理由として、税務署から生前贈与を否認され、この贈与分が相続税の課税対象にされる可能性がありますでしょうか。
また、認知症専門医による鑑定書を作成しておく方が良いのでしょうか。

尚、法定相続人は私のみですので、上記に対する相続争いは起きません。
ご教示いただきたくよろしくお願い致します。

税理士の回答

税理士ドットコム退会済み税理士

生前贈与が否認されるかどうかを一般論で議論するのは難しいものと思います。しかし、相続開始後、税務調査において、税務署の方が、お父様の意思能力の観点から、生前贈与を否認し、何らかの課税を行う場合、生前贈与が無効であることを立証する責任は税務署にありますので、税務署側の挙証責任は重いものになってきます。

贈与契約書、保険契約について考えると、公正証書贈与契約書であれば公証人が、保険契約であれば保険会社の職員がお父様の意思能力を契約時点で確認していると思いますので、その契約自体を税務署で否認するのはかなり厳しいだろうとは思います。

一般的な回答になりますが、ご参考にして頂ければ幸いです。

なお、贈与については、贈与契約書があっても、贈与の履行がなされていない場合(例えば、預金通帳・印鑑はお父様がそのまま行っていた等)には、別の角度からの否認はありえますのでご注意ください。

贈与を否認される可能性は限りなくゼロに近いと考えます。

父同席の元で公正証書贈与契約書も作成済み


保険会社や銀行での手続きは父同席の元で行い

とのことですから、税務署側がこれを否認することは困難かと考えます。

また、「鑑定書」については贈与を否認したい場合に必要になるかと思いますが、今回は逆の立場にありますので現時点では必要ないかと考えます。

 ご参考にしていただければと思います。

※藤田先生重ねての回答お許しください。
 回答作成したので送信させていただきました。

藤田先生、長山先生
ご教示ありがとうございます。
また、お礼が遅れたことお詫び致します。

長山先生
恐縮ですがもう一点ご教示をお願い致します。
「本件では鑑定書(判断能力の鑑定)は不要」につきまして、
他者様の相談項目では、認知症患者からの生前贈与に関する質問にて、税理士先生からは「公正証書贈与契約書と、医師による鑑定書の作成をお勧めします」旨のアドバイスが散見されます。
この鑑定書作成のお勧めは、一般的には、税務署対策ではなく、相続争い対策の意味なのでしょうか。ご教示のほどよろしくお願い致します。

「相続争い対策」と考えます。
 贈与後に行為能力等々問題にならないよう、事実関係を明確にしておく意味合いかと考えます。
 今回、ご相談のケースで税務署側が「鑑定書」の作成がないことをもとに、贈与否認の処分は困難だと考えます。
 また、「鑑定書」の作成を全否定する趣旨ではありません。念のため保管しておくことで、少しでも不安が取り除けるのであれば、作成もひとつの選択肢であると考えます。

長山先生、藤田先生
とても勉強になりました。
ご多忙の中、ありがとうございました。

本投稿は、2019年12月19日 11時39分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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