父からの資金預かりについて
父から、わたし(長女)名義のまとまった金額の定期があると言われ、その定期が満期になって、利率のよいところに預け替えしたいとのことで、従来より持っているわたしの口座で定期(ネット銀行の口座で利率が高いが、父は操作できないとのこと)にしようとおもいます。
あくまで、わたしとしては父のお金の置き場所という感覚でいます。父に何か(施設入居等)あったら、その資金に当てようという感じです。
この金銭は、もし父が亡くなったら、父の相続財産として相続税を支払えばいいのでしょうか?それとも、贈与税の話しになりますか?
また、従来より持っているわたしの口座には、わたし本人の定期もあります。その点で注意すべきことはありますでしょうか?
よろしくお願いいたします。
税理士の回答
竹中公剛
この金銭は、もし父が亡くなったら、父の相続財産として相続税を支払えばいいのでしょうか?それとも、贈与税の話しになりますか?
また、従来より持っているわたしの口座には、わたし本人の定期もあります。その点で注意すべきことはありますでしょうか?
贈与税ではないです。
預かり預金です。
その分が名義預金です。
相続時に正しく申告をお願いします。
贈与とはあげますもらいますという双方の意思により成立します。
お父様と長女様の間にはそうした意思はないので贈与にはなりません。
したがって、将来の相続時にはお父様の相続財産に計上することになります。
ただし、外見上、もともとお父様の長女様名義預金を、満期を機に長女様に贈与し、長女様が自身で定期にしたと税務署が指摘する可能性はあります。
たとえば、お父様がお元気なうちにお父様と長女様との間で、当該定期預金はお父様の財産であり長女様が預かっている旨の「確認書」を作成しておいてはいかがですか。(親子間の作成文書ですので効力という意味では弱いですが、最低限すべき対策をしておくべきです。)
相亰俊信
お世話になります。
ご説明の状況であれば、その資金はお父様の財産(名義預金)として扱われ、お父様が亡くなられたときに相続財産に含めて相続税を計算するのが原則です。現時点で贈与税がかかる話にはなりません。
贈与は、あげる側の「あげる」という意思と、もらう側の「もらう」という意思が合って初めて成立します(民法549条)。ご相談者様は「父のお金の置き場所」と考え、お父様の介護費用などに充てるつもりとのことですので、贈与は成立していないと考えられます。このように名義だけ子になっていて、実質は親のお金である預金を「名義預金」といいます。税務調査では、お金の出どころ、誰が管理していたか、誰のために使われたかで、誰の財産かを判断します。
相続税は、遺産総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数。国税庁タックスアンサーNo.4152)を超える場合にかかります。超えなければ申告は不要です。ただし、他にご兄弟などの相続人がいらっしゃる場合は、この預金も遺産分割の対象になります。
一方、この資金をご相談者様ご自身の生活費や資産形成に使った場合は、その時点で贈与とみなされる可能性があります。その場合、年110万円を超える部分に贈与税がかかります。また、相続開始前一定期間内の贈与は相続財産に加算されます。この期間は2024年以降の贈与から段階的に7年に延長されています。
ご自身の定期と同じ口座で管理される点については、次のことに注意されるとよいと思います。
・お父様の資金は、ご自身の定期とは別の定期にして、金額や預入日が区別できるようにしておく
・元の定期の満期金が、いつ、いくら、どの口座から移ったかがわかる通帳や取引明細を保管しておく
・「父の資金を預かっている」旨のメモや預り証を作り、お父様と日付を入れて署名しておく
・引き出してお父様の施設費用などに使ったときは、領収書などを残しておく
なお、元の長女様名義の定期の出どころがお父様の資金で、お父様が管理していたことが前提です。もし以前に「あげる」と言われて受け取り、ご自身で管理されていたといった経緯があれば、すでに贈与が成立していた可能性もあります。その場合は判断が変わりますのでご注意ください。
お返事いただきました先生方、ありがとうございました。スピーディーにご回答いただきました先生、確認書等の具体例を挙げてくださった先生、全体を詳しく口座の管理まで教えてくださった先生、皆様に感謝いたします。
本投稿は、2026年10月16日 11時27分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







