相続放棄した場合の死亡保険金の受取について
状況としては以下の通りです。
・父が交通事故で死亡。法定相続人は母とその子供2名。
・生命保険の被保険者は父、受取人は遺族・相続人。
・上記子供2名のうち1名は相続放棄。
相続処理を任せている税理士からは以下のように言われています。
以下の民法の規定により法定相続人ではないので相続放棄した方が保険金を受け取ると相続放棄について債権者から無効を主張される可能性がある(つまり単純承認とみなされる)。
(相続の放棄の効力)
第939条相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。
一方で判例上は、相続放棄者も上記保険金を受領する権利につき受取人固有の権利として取得する、とされており、単純承認とはならずに受け取ることは可能ではないかと思っております。
質問
①後者判例通りの理解が正しいのではないでしょうか。
②後者判例通りだとして、保険金の受取は、母1/3、子(相続)1/3、子(相続放棄)1/3で良いか。
③既に相続税の支払いまで完了しているが、訂正は可能か。
以上です。よろしくお願いいたします。
税理士の回答
死亡保険金は受取人自身の固有の権利ですので、受取人が指定されている場合のみならず受取人が相続人とされている場合であっても相続放棄をした者も死亡保険金を受け取ることができると解されます。
①正しいと思われます。
②保険契約で規定されていなければおっしゃるとおり均等です。
③遺産分割協議のやり直しではないので、修正申告、更正の請求が可能と思われます。
お忙しいところ早速のご回答ありがとうございました。大変参考になりました。
さて、恐縮ながら、相続放棄人による保険金受取に関してもう1点追加でご質問なのですが、
人身傷害保険の保険金についてはいかがでしょうか。ネットでみる限り保険法が施行された後は微妙とのコメントもございます。受取人固有の権利とはみなされず相続財産を構成してしまう(相続放棄人が受け取ったら単純承認とみなされる)のでしょうか。
なにとぞよろしくお願いいたします。
おっしゃるとおり、平成22年の保険法施行後の裁判例がないようですので、判断ができません。
弁護士でも同様だと思われますが、とりあえず、保険会社に確認してみてはいかがでしょうか。
懇切丁寧なアドバイス、ありがとうございました。
本投稿は、2019年07月09日 12時25分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。