非上場株式の評価における「継続従業員数」と平取締役の扱いについて
非上場株式の評価(会社規模の判定等)における「継続従業員数」の判定についてご質問させていただきます。
当社の状況は以下の通りです。
・家族経営の中小企業
・代表取締役以外は、役職(専務・常務等)のない「取締役」として登記
・該当の取締役も会社の経営・業務に関与している
継続従業員数の計算にあたり「役員は除く」とされていますが、ネット上の情報で「平役員は従業員数に含まれる」という記述を見かけ、判断に迷っております。
【質問】
上記のような役職のない取締役(いわゆる平取締役)は、継続従業員数から「除外する(役員として扱う)」のが正しいのでしょうか。それとも「含めてよい(従業員として扱う)」のでしょうか。ご回答のほどよろしくお願いいたします。
税理士の回答
国税庁の通達では、
継続従業員とは、
直前期末以前1年間においてその期間継続して評価会社に勤務していた従業員(就業規則等で定められた1週間当たりの労働時間が30時間未満である従業員を除く)
ただし、
従業員には、社長、理事長並びに法人税法施行令第71条((使用人兼務役員とされない役員))第1項第1号、第2号及び第4号に掲げる役員は含まれません。
参考
71条1項
一 代表取締役、代表執行役、代表理事及び清算人
二 副社長、専務、常務その他これらに準ずる職制上の地位を有する役員
四 取締役(指名委員会等設置会社の取締役及び監査等委員である取締役に限る。)、会計参与及び監査役並びに監事
したがって、上記の要件を満たさない平取締役で、1週間当たり30時間以上勤務している使用人兼務役員に該当する者は、含まれると思われます。
宮本大樹
◆結論
一般的な株式会社の「役職のない取締役(いわゆる平取締役)」は、非上場株式の会社規模を判定する際の従業員数に含めて差し支えないと考えます。
◆従業員数から除外される役員
財産評価基本通達178では、会社規模の判定に用いる従業員数について、従業員から除外する役員を次のように定めています。
・社長、理事長
・代表取締役、代表執行役、代表理事、清算人
・副社長、専務、常務その他これらに準ずる職制上の地位を有する役員
・指名委員会等設置会社の取締役、監査等委員である取締役、会計参与、監査役、監事など
したがって、一般的な株式会社の取締役で、代表取締役、専務、常務などの役職が付いていない「平取締役」は、この除外対象には該当しません。
◆家族経営の場合
家族経営の同族会社の場合、一定の持株要件を満たす取締役は、法人税上「使用人兼務役員になれない役員」に該当することがあります。
ただし、この規定は法人税法施行令71条1項5号によるものです。
一方、財産評価基本通達178で従業員から除外するとされているのは、同項1号、2号および4号に該当する役員です。
そのため、家族経営であることや、取締役として経営に関与していることだけを理由に、従業員数から除外することにはならないと考えます。
◆勤務実態も確認する
実際の従業員数の計算では、勤務実態も確認します。
直前期末以前1年間を通じて勤務し、1週間当たりの労働時間が30時間以上であれば「継続勤務従業員」として1人とカウントします。
それ以外の場合には、原則としてその1年間の労働時間を1,800時間で除して人数を計算します。
したがって、ご質問のような「代表取締役ではなく、専務・常務等の役職もない取締役」で、実際に会社で継続して勤務している方については、原則として従業員数に含めてよいものと考えます。
本投稿は、2026年10月01日 07時06分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







