未成年の株取引における親の死でかかる税金について
自分は16歳(今年17歳)の未成年です。
先日母が亡くなりました。片親でした。
自分は14歳の時に未成年口座で株を購入し現在も保有しています。自分名義の銀行口座に100万があり親から100万をもらって 計200万を自分名義の口座から親に一つの株に投資してもらいました。(14才時点で自分一人で売買はできない)
そして現在株を売って利益が出た場合に20.315%の税金がかかりますが他にも贈与税や相続税などの税金がかかりますか?教えて欲しいです。
税理士の回答
ご質問ありがとうございます。
お母様がお亡くなりになったとのこと、
お悔やみ申し上げます。
まだお若い年齢でのご相続は、
どれほどお辛いか、想像もつきません。
税金についても心配だと思いますので、
解決していければと思います。
他にも贈与税や相続税などの税金がかかりますか?
贈与税と相続税は、
株を売却したタイミングではなく、
・ お金をもらったタイミング ⇒ 贈与税
・ お母様がお亡くなりになったタイミング ⇒ 相続税
で、税金がかかるかどうかを考えます。
ここで、金額の規模によって
税金がかかるかどうか変わりますので、
順番に説明させていただきます。
■ ① 贈与税について
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贈与税には非課税枠があります。
1年間で110万円以下の贈与でしたら、
贈与税はかかりません。
この110万円の非課税は
1月1日から12月31日までの期間で考えます。
・14歳までに100万円が銀行にあった
・14歳の時に100万円をもらった
というご記載ですので、
最大で200万円をもらったと推察されます。
例えば、
・令和3年12月までに100万円をもらった
・令和4年8月に100万円をもらった
このようなケースでしたら
年間110万円の非課税枠を下回っていますので
贈与税は発生しません。
一方で、
・令和4年2月に100万円をもらった
・令和4年8月に100万円をもらった
このような場合ですと、
年間で200万円を受取っており、
110万円を超えるため贈与税がかかります。
ご自身の通帳の日付をご覧いただき、
どのようなタイミングでお金が動いているか
ご確認いただければと思います。
なお、未成年者に対する贈与は、
親権者である親が承諾していれば
贈与と認められます。
お母様がお金の管理をしていたと思いますので、
お金の移動は「贈与」とお考え下さい。
■ ②相続税について
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相続税にも非課税枠と似たものがあります。
お母様の財産が、
3,000万円+600万円×法定相続人の数
を超えていなければ相続税はかかりません。
例えば、お母様から見た相続人が
ご質問者様だけの場合、
お母様の財産が3,600万円
(3,000万円+600万円×1人)
を超えなければ相続税は発生しません。
※離婚した旦那様はカウントしません
お母様の預貯金や車、不動産の金額を
集計してどれくらいの金額になるか
計算してみて下さい。
もし不動産がある場合、
特殊な計算方法が必要になりますので、
追加でご質問いただければと思います。
ここでひとつ注意点があります。
少なくとも、14歳の時(R4年ころ)にされた
100万円の贈与については
相続財産に持ち戻すという点です。
相続税では相続が開始する前3年以内
(R6年からは7年以内)にされた贈与は
相続財産に持ち戻すという決まりがあります。
そのため、株式購入を目的に贈与した100万円
については相続財産に組み込まれます。
贈与のときは110万円の非課税枠があったのに、
相続のときには110万円を考慮しない点が
複雑に感じるかもしれません。
ご参考になれば幸いです。
お忙しい中回答ありがとうございます。仕組みがわかりました。いくつか質問したいことがあるのですがよろしいですか?
1つ目です
「なお、未成年者に対する贈与は、
親権者である親が承諾していれば
贈与と認められます。
お母様がお金の管理をしていたと思いますので、
お金の移動は「贈与」とお考え下さい。」
質問1 贈与税は親の口座から自分の口座に移すことだと思ったのですが、株は自分名義の口座から親に投資してもらって利益が入るのも自分の口座です。この場合株の利益が自分の口座に入ったら贈与税がかかるのですか?
2つ目です
「お母様がお亡くなりになったタイミング ⇒ 相続税」
「お母様の財産が3,600万円
(3,000万円+600万円×1人)
を超えなければ相続税は発生しません。」
質問2 上記を照らし合わせて亡くなった当日の株の利益を計算して財産に入れその合計額に対して相続税がかかるのですか?自分の口座名義なので含まれるか疑問です。
質問3 株の利益に対して贈与税、相続税、20.315%の3つの税金がひかれることになりますか?
確認のご質問ありがとうございます。
複数の税金が絡むと、どのタイミングで、
どのような計算になるか複雑になりますよね。
質問1
贈与税と所得税について整理が必要だと感じました。
・贈与税とは、無償で財産を得るとかかる税金です。
・所得税とは、自分で稼いだり、自分の投資から得た儲けにかかる税金です。
今回のケースに当てはめると、
・親の口座からご自身の口座に移すタイミングでは贈与税
・ご自身名義の株式を売却して利益が入ったら所得税
となります。
贈与税については、年間の贈与金額が110万円を
超えていないかご確認ください。
110万円を超えていないのなら贈与税はかかりません。
株を売却した利益は、株の所有者に帰属し、
所得税の課税対象となります。
時系列を整理すると、
株の売却と贈与税は関係が無いと考えられます。
質問2
相続税は、お亡くなりになった時点の財産をベースに計算します。
今回はお金を贈与し、ご自身名義の株を購入していますので、
ご自身の株式の残高や利益はお母様の相続財産に含まれません。
一方で、3年以内に贈与したお金は相続税に加算します。
①お亡くなりになった時点のお母様の財産
②3年以内に贈与されたお金
の合計額が3,600万円を超えている場合に相続税が発生します。
上記金額が3,600万円を超えていないかご確認ください。
質問3
所得税では、株の利益を計算する際に、
①売却した価格と②取得した価格の差額から儲けを計算します。
仮に、贈与税や相続税を払ったとしても、
株式の儲けを計算する時には考慮しません。
また、20.315%は所得税という意味だと思います。
こちらは、株式の儲けを計算した結果として支払う税金です。
計算の構造としては「ひかれる」という
表現は馴染まないかと感じます。
複数の税目が絡み複雑だと思いますが、
ご確認いただければ幸いです。
完全に理解できました!ありがとうございました
ありがとうございます。
お役に立てたのであれば幸いです。
本投稿は、2024年08月05日 19時14分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。