資産管理会社を経由した貸付
創業オーナーが自身の資産管理会社Aから、自身が運営する企業Bに1000万円を貸し付けor寄付したとします。その後、創業オーナーが死去した場合は1000万円はBから見て贈与や相続を受けたと見なされ課税対象となるのでしょうか?
また、仮にオーナーの子供がAとBの双方を相続した場合、借金は相殺されるのでしょうか?
教えていただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
税理士の回答

石割由紀人
創業オーナーが資産管理会社Aから企業Bに1000万円を貸し付けまたは寄付した場合、創業オーナーの死去後も、この1000万円は資産管理会社Bから見て贈与や相続を受けたとは見なされず、課税対象とはなりません。
創業オーナーの子供が資産管理会社AとBの株式を相続した場合でも、両社間の債権債務は自動的には相殺されません。
ただし、相殺の要件を満たせば、相殺の意思表示により債権債務を消滅させることは可能です。
1.贈与税・相続税に関して
資産管理会社Aから企業Bへの貸付や寄付は、法人間の取引であり、個人に対する贈与や相続には該当しません。
創業オーナーの死去によって、既に移転済みの財産に対して新たに贈与税や相続税が課されることはありません。
2.相殺について
法人格が別個である以上、株主が同一になっても自動的に債権債務関係は消滅しません。
相殺には以下の要件が必要です: a) 同一当事者間に債権の対立があること b) 両債権が同種の目的を有すること(例:金銭債権同士) c) 両債権の弁済期が到来していること d) 相殺禁止事由に該当しないこと
相殺の要件を満たせば、当事者の一方的意思表示により相殺が可能です。
本投稿は、2024年08月22日 08時23分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。