実態と乖離のある、遺産分割調停後の相続税の修正申告について
相続人は私と弟の2人です。申告期限までに分割がまとまらず、未分割で申告し、納税しました。その後、遺産分割調停になり、先日やっと調停が成立しました。
遺産の内容は、上場株式及び現金です。弟の住宅資金の非課税枠内で受けた贈与と隠していたのが分かった(申告になかった)生前贈与を特別受益として持ち戻した上で、上場株式は調停期間中に値上がりしたので値上がり後の価格を基準にしつつ、現金は弟が勝手に一部を使ったので(生前被相続人から許可を得たと言い張っています)元に戻させようとしましたが、調停を早く進めるため全額ではなく一部のみ戻して(申告時より少ない)現存額として、私が株をいくらか多く受け取りつつも、総額としては2人で全体の半分ずつとしました。
調停成立後になって、いざ修正申告をする段階で、申告書の取得財産を計算しようとしても、申告上の財産と分割で実際に取得した財産に前述の経緯から乖離があり、どうやって計算したものかと困っています。
株はあくまで実際に取得した株数に当初申告時の評価額を乗じて取得財産とし、現金は現存額に占める各相続人の実際の取得割合を計算して、当初申告時の現金額に乗じて取得財産とする、として計算してみたのですが(随分私の方の税額が多いです)、この計算の考え方で正しいのか教えて頂ければ幸いです。
税理士の回答
相続税法では、財産の評価は課税時期の時価と規定されています。この場合の課税時期とは遺産分割協議等を了した日ではなく、原則として被相続人の死亡の日とされています。そして、相続税の申告書は相続、遺贈で取得した本来の相続財産、死亡保険金などのみなし相続財産、相続開始前3年以内に被相続人から暦年課税にかかる贈与によって取得した財産、相続時精算課税制度によって取得した財産など課税される財産を記載し税額等を計算します。(詳しくは「相続税の申告のしかた」に記載されています。)今回の事例において、死亡時の時価と分割を了した時の時価が異なるということであれば相続の修正申告書と更正の請求書(更正の請求書は分割を了した日の翌日から4ケ月以内に提出を要します)について、あくまで当初の申告財産の評価額等に誤りがない場合は当初の評価額等を基として修正申告書等を記載することとなります。ただ、当初申告で計上していた現金が死亡の時点で存在せず過大に計上されていたのであれば総体の財産も変わることはあると思いますが、3年以内に贈与を受けた財産も課税財産となりますので、修正申告書等の提出に当たってはそこのところの検討も必要と思われます。
補足です。更正の請求については、国税庁のホームページにその記載方法等があります。(手続き名 相続税及び贈与税の更正の請求手続)をご覧ください。また、相続財産が分割されていないときの申告も国税庁のホームページのタックスアンサ-に記載があります。未分割の部分の更正の請求と本来財産がなかった場合の請求期間が異なりますので、記載等不明の場合は所轄の税務署に電話連絡の上来署して相談が可能です。
遅くなりましたが、御回答ありがとうございました。
本投稿は、2018年11月21日 23時26分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。