名義預金について
13年ほど前に、母親から300万円の贈与(通帳)を受けました。
その当時は、「ラッキー」としか思わず、贈与税の事は全く頭になく、贈与税は支払っておりません。また贈与契約書も取り交わしておりません。
ただ通帳作成時は、私の筆跡にて作成し、現金にて通帳入金。(原資は母のものです)。また印鑑については、母親が使用してる銀行印ですが、その印鑑はいつでも使用できる場所に保管されており、宅急便などの認めにも使う程でした。通帳は私個人が管理していました。通帳作成を私本人が行っていても、印鑑、贈与税、贈与契約書などがないため、税務署としては、名義預金として判断されるのでしょうか?お教え下さい。
税理士の回答

贈与契約は贈与者の意思表示と受贈者の受諾があれば成立し、書面(契約書)がなくても口頭でも成立します。
ご相談の文面からは両者の間で贈与の認識(合意)があること、贈与されたお金は相談者様(受贈者)が管理支配していることなどの実態からみて、名義預金ではなく贈与されたものと判断されると思われます。
贈与契約書や贈与税の申告がないことをもって名義預金と断定することはできないと考えます。

家族名義の預金が問題になった東京地裁平成20年10月17日判決(税資258号順号11053)では、次のように判示しています。
「ある財産が被相続人以外の者の名義となっていたとしても、当該財産が相続開始時において被相続人に帰属するものであったと認められるものであれば、当該財産は、相続税の課税の対象となる財産となる。そして、被相続人以外の者の名義である財産が相続開始時において被相続人に帰属するものであったか否かは、当該財産又はその購入原資の出捐者、当該財産の管理及び運用の状況、当該財産から生ずる利益の帰属者、被相続人と当該財産の名義人並びに当該財産の管理及び運用をする者との関係、当該財産の名義人がその名義を有することになった経緯等を総合考慮して判断するのが相当である。」
贈与契約書等の証拠資料がない限り、その帰属を立証することは難しいといえますが、総合考慮して判断するので、名義預金かどうかは人によって見解が違うと思います。
ただ、質問者さんとお母様が贈与と認識していたと主張すれば、税務署も攻めにくいと思います。結果、贈与があったと認められ、贈与税も時効であるため払う必要はないということになるのではないかと思います。
ありがとうございます。家族間で贈与契約書など一般人には考えもつかない事で、相続手続きをするようになって、初めていろいろと知りました。こうした相談窓口があり本当に感謝しております。助かりました。
本投稿は、2019年09月13日 14時51分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。