清算型遺贈の遺言執行者の権限について
父が遺言書の準備を始めており、不動産について売却後の資金を兄弟で分けるようにと考えているようです。
遺言執行者については弁護士などを想定しているようですが、以下の点について教えてください。
①相続人の1人が上記内容に反対した場合でも遺言執行者は故人の意思を尊重&執行者の権限で売却を進められるのか
②仮に不動産が売却できなかった場合、遺産分割協議をし直すのか
私個人としては、この内容ではない方向に父を説得したいと思っています…宜しくお願いします。
税理士の回答
遺産分割は、遺言があればその内容にしたがい、遺産を分割します。遺言がない場合には、相続人全員で遺産分割に関する「協議」、つまり遺産分協議を行い、取得者を決めます。
したがって、遺言書が作成されていれば遺言内容どおりに遺産を分割しなければならないので、遺産分割協議は起こりえません。なお、遺言書に載っていない遺産については遺産分割協議の対象になります。
遺言執行者は、相続財産の管理やその他の遺言の執行に必要な一切の行為を行う権限を有しています。遺言執行者があるときは、相続人は相続財産を処分する権限を失い、相続財産の処分や遺言の執行を妨害する行為はできなくなります。
このため、不動産があれば遺言執行者が単独で不動産の売却等の換価行為を行うことになりますので、売却できるまでその責任を負うこととなります。売却できないからといって、分割協議の対象にすることはできません。
本投稿は、2020年09月21日 17時33分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。