税理士事務所への依頼内容と報酬について
税理士事務所業界として一般的な報酬の考え方について教えてください。
税理士事務所へ相続税申告を依頼する際、例えば以下のような業務依頼の形も取れるものでしょうか?
まずは相続人で出来る限り相続税申告書及び必要な添付書類を整備した上で、申告内容に不備がないか?を書類添付制度を活用して税理士に精査してもらい、不備部分を是正してもらった上で、税理士から最終申告してもらう。言い換えると専門家に税務調査してもらった上で申告するイメージです。
質問は2点です。
①このように、相続人が必要書類の作成準備をほぼ完了した状態で委託したとしても、相続資産額の0.5%程度の報酬額は基本報酬として一般的に必ず請求されるものでしょうか?
②例えば、遺産分割協議書作成に5万円..等個別の価格を設定されている事務所も多いですが、これらは相続人側が作成すれば、費用削減が見込めるものでしょうか?
税理士の回答

税理士報酬は自由化されており、報酬の決め方は税理士事務所によりさまざまですから、ご相談者様の希望に沿ったサービス提供と料金で受任される事務所も探せばあるかもしれません。
私の意見としましては、納税者で書類を作成していただいても、相続税の申告書作成のための資料や情報を提供していただき、すべて拝見するので、はじめから税理士事務所に依頼してもらうのと工数が変わりません。
さらに最終的に税理士の代理で提出・書面添付もしてほしいというご要望なので、なおさら納税者が作成した箇所を簡単にチェックして終わらすわけにもいきません。
一からしっかり精査してヒアリングも通常どおり行います。
また、10ヶ月間という限られた期限しかない中で、納税者の方が作成するには相当な労力と時間を費やし、その後に税理士に持ち込まれると考えますと、期限に余裕がなく、場合によっては特急料金も発生するかもしれません。
したがって、他の事務所ではどのように対応されるのか分かりかねますが、納税者で書類を作成していただいても値引きはなかなか難しいです。
しかし、税理士の方でなくとも、例えば税理士事務所にお勤めで相続税の申告実務に携わり、相続税申告をする上での専門的な視点を持ち、どのように情報収集・資料収集・現地や役所調査・精査をしていくのかに精通しており、条文や通達を読める方なら、高いレベルで書類を作成できるかと思いますので、多少お値引きさせていただくこともできるかもしれません。
遺産分割協議書につきましても、税理士が作成する場合は、相続税の申告書に債務・葬式費用の負担者を記載する関係で、本来分割対象でない債務・葬式費用を誰が負担するのかを遺産分割協議書に記載することが多いです。
それ以外についても、内容に不備があれば、作り直しになります。
したがって、なるべく税理士に作成を依頼いただくのをお勧めは致しますが、報酬とお考えいただいて、ご自身で作成されたいのであれば、そうされてもいいかと思います。
なお、税理士が代理提出するのではなく、納税者が作成された申告書をおおまかに間違っていないかチェックするくらいでしたら、安価な報酬で受けているところもあります。
はじめにも申し上げましたとおり、以上は私の個人的意見ですので、ご相談者様のご希望に沿う内容のサービスを提供できる事務所もあるかもしれません。
ありがとうございます。であれば素人が時間かけてやるよりも早めに税理士事務所に相談したほうが良いですね。
贈与の履歴も絡み名義預金かどうか判断が難しいものがある…などの課題がある場合、税理士さんのほうで過去の資産の流れなども主導して調査して頂けるのでしょうか?それとも相続人が主導で必要な通帳記録等を準備しないといけないのでしょうか?
このような(申告上必須となる活動に対する)費用は一般的に別料金になるのですか?

であれば素人が時間かけてやるよりも早めに税理士事務所に相談したほうが良いですね。
→一つ一つ調べながら作成するのは多くの時間が必要となりますし、疑問に至らずに漏れが生じてしまう危険性もありますから、お早めに税理士へご相談されるのが私もよろしいかと思います。
贈与の履歴も絡み名義預金かどうか判断が難しいものがある…などの課題がある場合、税理士さんのほうで過去の資産の流れなども主導して調査して頂けるのでしょうか?
→税理士によりどこまで確認するかの方針は異なりますが、相続に強い税理士事務所であれば、生前贈与や名義預金の検証が必要な場合、通常は被相続人をはじめご家族の通帳なども確認・精査するかと思います。
それとも相続人が主導で必要な通帳記録等を準備しないといけないのでしょうか?
→通帳など被相続人やご家族の自宅にあるものは、依頼者でご準備いただくしかありません。
金融機関に請求する取引履歴などの取得は、有料になるはずですが代理でしてくれる税理士事務所もあると思います。
提携先の司法書士を紹介してくれるところもあれば、依頼者自身で収集をお願いするところもあると思います。
事務所の方針によります。
このような(申告上必須となる活動に対する)費用は一般的に別料金になるのですか?
→これも事務所の方針によります。
どのような料金設定にするかは事務所の自由です。
一般的には相続税の申告報酬に、資料の代理収集の報酬を含んでいる事務所は少ないと思います。
通常、税理士側からすると、依頼者から資料を提出していただいて、そこから業務スタートです。
税理士事務所も自由競争でサービス提供をしています。事務所によって強みも違いますし、同じ業務でも何をどこまで、どれくらいの料金でするかはバラバラです。
申告期限まで余裕があるのでしたら、いくつかの事務所と面談していただいて、依頼先を比較検討していただくといいでしょう。
ご面談時にその事務所が何をいくらでしてくれるのか、お聞きください。
ただし、極端に安い報酬を提示してくるところは避けるべきでしょう。
財産の内容、生前贈与・名義財産の検討が必要なのか、相続人の人数、期限までの残された時間などにより、報酬は変わると思いますが、相続税申告報酬の一般的な相場としては、遺産総額の0.5%〜2%くらいです。
本投稿は、2021年09月13日 11時16分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。