法人税務調査の対応について
法人税務調査について質問です。
初めて対応するためいくつか質問させていただきます。
社員の年末調整の内容に誤りがあったが、当該社員は個人で確定申告を行っていた場合について教えてください。
①年末調整の内容に誤りがあったとしても確定申告時に正しい内容で申告していれば精算されるのでしょうか?会社の対応に問題はなかったと税務署から認識されますか?
②確定申告でも誤りが正されていなかった場合、会社が追加徴収を行うのでしょうか?それとも会社の対応としては指摘されずに確定申告をしている社員に個人的に税務署から連絡をされるのでしょうか?
③社員の確定申告状況や内容は分かりかねるのですが、税務調査時に社員の確定申告内容について調査員から質問されることはありますか?
税理士の回答

米森まつ美
① 通常は、確定申告をした場合であっても「源泉徴収の是正」が優先となるため、源泉徴収義務者(会社)は「源泉徴収の納税額が誤り」であったとして、再年末調整を行い、追加徴取を行うことになります。
確定申告は、誤りの内容に基づいて従業員が「修正申告」又は「更正の請求」を行います。(還付の時は税務職員が職権で還付ができるように資料せんを、従業員の所轄税務署に連絡しますが、遅くなるため先に手続きしたほうが早く処理されます)
ただし、いわゆる扶養是正(扶養が重複していた、扶養としていた子供などの所得が扶養の範囲外となっていた)の場合は、確定申告での是正が可能となっているため、従業員が確定申告をしている場合は是正は必要ないと考えます。
② もともと、源泉徴収(年末調整)が誤りであったとして、会社で一旦是正することになると考えられます。
なお、誤りがあった従業員に対しては、まずは会社を通じて従業員に確認をすることになります。
③ 調査官から確認されることはあります。
源泉徴収制度は、相手方(従業員や取引先)の確定申告の有無は問わないのが原則となっており、誤りがあったときは税務署は会社に対して追加納税を求めます。
ただし、全体の調査の流れのなかで、どのように処理するかは調査官(税務署)の判断に任される面もあるため一概には言えません。
なかには「申告して内容も会社の支払などと一致している」又は「是正済」の時は、今後は注意するように「指導」とする場合もあります。
なお、「扶養是正」に関しては、年末調整時には扶養者等の所得は「見積額」であるため、会社は年明けに従業員に対して扶養者の所得を確認するように指導する必要があります。
その結果、還付となる場合は本人に源泉徴収票を発行するまでは、再年末調整をして還付し、納税となる場合は把握した時点で再年末調整を行い、納付することになります。
※ 税務署では市区町村への調査を行い、扶養対象外の者が扶養となっていることを把握した場合で「扶養是正」という通知を会社に送付します。会社では従業員に扶養者の所得を確認させ、追加納税をすることになるケースがあります。(原則、会社に責任はないとして加算税・延滞税の対象外となります)
本投稿は、2024年11月21日 21時12分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。