前年度の事業主借と今年度の貸借対照表の取り扱いについて(2期目から青色です)
1期目は、白色申告で、2期目から青色申告となります。
以下の状況にて、質問させて頂きたい内容があります。
何卒、宜しくお願い致します。
【状況】
--------------
1期目では、事業用口座に資金がなかったため、経費のほとんどは個人のクレジットカードを遣い、プライベート口座から引き出しをしておりました。
青色申告の場合は、事業主借という形になるかと思います。
貸借対照表で考えると、事業主借で計上したものは、現預金に入ると思います。
例えば、100万円をプライベート口座から使った場合は、
(現預金)100万円 (事業主借)100万円 みたいな感じでしょうか。
ただし、この(現預金)100万円は、経費として使っているため、現預金にも残っておらず、期末には資産には残らないという認識です。
その場合は、前年度の期末の貸借対照表が分からなくなります。
また、前期は売上が低かったため、例えば50万円の赤字になっています。
このような状態で、2期目は青色申告で申請します。
前年度の事業主借は、元入金として扱うと知りました。
(元入金)100万円 でしょうか。
青色申告の際に貸借対照表で前年度の残高を入力するのですが、
(貸方)? (借方)元入金 100万円 で左の貸方が何を入れればよいのか不明で止まってしまいます。
--------------
【質問】
--------------
このような疑問があり、質問させて頂きたいのは以下です。
Q1.前年度(1期目)の期末の貸借対照表はどのようになりますか?
(貸方)?? (借方)事業主借 100万円
※現預金は、経費で使っているのでゼロの状態?
Q2.開業費とは別だと思いますがあってますでしょうか。
開業後の経費なので、以下はしっくりきてません。
(貸方)開業費 100万円 (借方)事業主借 100万円
Q3.次年度(2期目)の貸借対照表はどのようになりますか?
(貸方)??? (借方)元入金 100万円
Q4.前年度が赤字の場合ですが、赤字分は元入金から引いたりしますか?
(貸方)??? (借方)元入金 50万円
※こうなるとプライベート口座から借りているお金が減ったようで、これもしっくりきません。
※法人のように繰越利益剰余金みたいな項目があればわかるのですが
何卒、お願いします。
税理士の回答

土師弘之
Q1について
ポケットマネーで経費の支出をしたのですから、その時々の仕訳は
(貸方)経費 ××× (借方)事業主借 ×××
となります。したがって、貸借対照表には事業主借勘定が残っていることになります。
Q2について
開業費とは開業前の経費なので、開業後に経費を支出した場合は開業費は存在しません。
Q3について
事業主勘定は翌期に元入金に振り替わるので、次年度の期首の貸借対照表では次のようになります。
(貸方)(※) ××× (借方)元入金 ×××
(※)は事業主勘定・繰越損益以外の資産・負債
Q4について
Q3のとおり、元入金には損益を加算した金額になりますので、赤字分は元入金から差し引かれています。
個人事業では、法人のような「繰越利益剰余金」も元入金に計上するので、法人の経理に慣れてしまっているとしっくりこないかもしれませんが、事業で赤字が生じたことは事業主の責任(赤字は事業主が負担すべきという考え方)なので、元入金がその分減っていると考えれば明白だと思います。
資本・経営分離方式である法人と個人事業の違いです。
本投稿は、2021年04月03日 09時10分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。