長期滞り債権の貸倒
支払期日から5年経過した債権を長期滞り債権に振替後、継続的な督促実施にもかかわらず、さらに5年が経ち、未収状態となっている債権を貸倒損失として処理が可能なものか、アドバイスなどいただけますと幸いです。
なお債務者は個人で、督促にまったく応じない状況です。(金額はそこまで高額ではないのですが…)
何卒よろしくお願いいたします。
税理士の回答

奥谷誠
御質問者様が法人なのか、個人事業主なのかわかりませんが、
個人事業主の方の場合(所得税法基本通達51-13)
51-13 債務者について次に掲げる事実が発生した場合には、その債務者に対して有する売掛債権(売掛金、未収請負金その他これらに準ずる債権をいい、貸付金その他これに準ずる債権を含まない。以下この項において同じ。)の額から備忘価額を控除した残額を貸倒れになったものとして、当該売掛債権に係る事業の所得の金額の計算上必要経費に算入することができる。(昭46直審(所)19、昭57直所3-1改正)
(1) 債務者との取引の停止をした時(最後の弁済期又は最後の弁済の時が当該停止をした時より後である場合には、これらのうち最も遅い時)以後1年以上を経過したこと(当該売掛債権について担保物のある場合を除く。)。
(2) 同一地域の債務者について有する売掛債権の総額がその取立てのために要する旅費その他の費用に満たない場合において、当該債務者に対し支払を督促したにもかかわらず弁済がないこと。
(注) (1)の取引の停止は、継続的な取引を行っていた債務者につきその資産状況、支払能力等が悪化したため、その後の取引を停止するに至った場合をいうのであるから、例えば、不動産取引のようにたまたま取引を行った債務者に対して有する当該取引に係る売掛債権については、この取扱いの適用はない。
法人の場合(法人税法基本通達9-6-3)
9-6-3 債務者について次に掲げる事実が発生した場合には、その債務者に対して有する売掛債権(売掛金、未収請負金その他これらに準ずる債権をいい、貸付金その他これに準ずる債権を含まない。以下9-6-3において同じ。)について法人が当該売掛債権の額から備忘価額を控除した残額を貸倒れとして損金経理をしたときは、これを認める。(昭46年直審(法)20「6」、昭55年直法2-15「十五」により改正)
(1) 債務者との取引を停止した時(最後の弁済期又は最後の弁済の時が当該停止をした時以後である場合には、これらのうち最も遅い時)以後1年以上経過した場合(当該売掛債権について担保物のある場合を除く。)
(2) 法人が同一地域の債務者について有する当該売掛債権の総額がその取立てのために要する旅費その他の費用に満たない場合において、当該債務者に対し支払を督促したにもかかわらず弁済がないとき
(注) (1)の取引の停止は、継続的な取引を行っていた債務者につきその資産状況、支払能力等が悪化したためその後の取引を停止するに至った場合をいうのであるから、例えば不動産取引のようにたまたま取引を行った債務者に対して有する当該取引に係る売掛債権については、この取扱いの適用はない。
となっており、何れも同様の損金処理ができることとなっています。
金額が不明のため、(2)が使えるかどうか不明ですが、(1)の内容を満たしていると考えます。
なお備忘価額は最低1円です。
丁寧なアドバイスをいただき、誠にありがとうございます。勉強いたします!
本投稿は、2022年07月25日 19時46分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。