社用車の仕訳について

結論
車両本体・付属品（ETC等）はすべて「車両運搬具」で固定資産計上
重量税・自賠責・登録費用は経費（車両費・支払手数料・租税公課）
リサイクル預託金は「預り金（資産）」
個人口座から支払っていても“前払金（事業主借）”で処理すれば問題ありません
ローンは「未払金」ではなく、“長期未払金（又は未払金）＋支払手数料”」で処理するのが一般的です。
購入名義が個人でも、事業使用が明確なら“会社の車（固定資産）”として計上可能です。

各仕訳の正誤
① 車両本体価格 → 車両運搬具（正しい）
（借）車両運搬具　2,000,000　　 （貸）前払金（事業主借）300,000
　　 　　　　　　　　　　　　　 （貸）未払金（ローン元本）1,700,000

個人の口座で払った前払金は　「事業主借」または「前払金（事業主借）」 にしておけば問題ありません。

② 特別仕様（ETCセットアップ等） → 車両運搬具（正しい）
固定資産に含めて大丈夫です
摘要は「ETC・カーナビ・オプション一式」などまとめても大丈夫です

③ 自動車重量税 → 租税公課（正しい）
④ 自賠責保険 → 保険料（正しい）
⑤ リサイクル預託金 → 預け金（資産）で正しい
⑥ 整備費用 → 車両費（正しい）
⑦ 登録届出手続・行政書士料 → 支払手数料（正しい）

※ 初回登録費用は全額費用で問題なし。
　固定資産に含める必要はありません。

ローン部分の仕訳：相談者様案は“誤り”です
相談内容の仕訳：
未払金 45,000／普通預金 50,000
手数料 5,000
→ この処理は正しくありません。

正しい処理
ローンの初回支払いが
元本：45,000円
利息：5,000円
合計引落：50,000円
なら仕訳は
（借）未払金　　　 45,000　← 元本返済
（借）支払利息　　　 5,000　← 利息
　　 （貸）普通預金　50,000
ローン手数料・利息は「支払利息」で処理
未払金は車両購入時に計上したローン元本の残高と一致させる
“差額を手数料”とするのは誤り

個人名義で購入した件：結論 → 問題なし
税務では「名義ではなく実態」で判断します。
実際に事業のために使っている
金額が大きく、継続使用が明確
減価償却も事業割合で按分する
→ 名義が個人でも、会社の固定資産（車両運搬具）として計上可能。

詳しくご返答いただき、誠にありがとうございます。
とても勉強になり、助けられました。

あと一つ記載忘れがあったのですが、車両本体価格を値引きしてくれているのですがこの処理はどうしたらいいでしょうか？
何度も申し訳ございません。

結論
車両本体の値引きは「車両運搬具の取得価額から直接差し引いて処理」します。値引額を雑収入などにせず、最初から固定資産の取得価額を“純額”にするのが正解で、税務上も最も安全です。

理由
車両購入時の値引きは、収益ではなく取得価額の減額（値引き）と扱うのが原則です。これを雑収入等にすると、資産を過大計上→償却費過大となり、調査で否認されやすくなります。

具体的な仕訳（例）
車両本体 定価：2,000,000円
値引き：▲200,000円
実際の本体価格：1,800,000円
頭金（個人払）：300,000円
ローン：1,500,000円

購入時の仕訳
（借）車両運搬具　1,800,000
　　 （貸）事業主借（前払金）　300,000
　　 （貸）未払金（ローン元本）1,500,000
※ 値引き200,000円は仕訳に登場させません。
※ 「値引き前価格」で計上して、後から減額する処理は不要です。

値引きの内訳がある場合の考え方
本体値引き → 車両運搬具の取得価額から減額
オプション値引き → そのオプションを含む資産の取得価額から減額
登録費用等の値引き → その費用の実支払額のみを経費計上
※ どれも共通して「実際に支払った金額だけを計上」が原則です。

丁寧に教えていただき、また例も記載いただきありがとうございます。
とても分かりやすくスッキリしました。
値引きは特に何か特別な処理が必要なのかと頭を悩ましていたのでとても助かりました。

本当にありがとうございました！