中間配当と留保金課税における別表の記載方法
留保金課税の対象になる法人で
臨時株主総会の決議で中間配当をしました.
以下の状況での別表4,3(1)の記載方法についてご教示ください.
■中間配当の状況
・9月決算法人
当期は令和2年10月1日~令和3年9月30日まで
中間配当の臨時株主総会決議 令和2年12月25日(前期の定時総会ではない)
親会社の意向で急遽当法人が配当を親会社にしましたので,特に基準日は配当の効力発生日である12月25日としています.
■ご教示いただきたいこと
当期の令和2年10月1日~令和3年9月30日の中で中間配当をした場合には
1.別表4の当期利益欄の社外流出に中間配当額を記載するのでしょうか
2.1.の場合には別3(1)の留保金課税の「当期の配当等」には転記は不要となるのでしょうか.前期末配当等も当期末配当等もどちらも空欄?
税理士の回答

坂根正哉
1.別表4の当期利益欄の社外流出に中間配当額を記載するのでしょうか
社外流出に中間配当額を記載します。
2.1.の場合には別3(1)の留保金課税の「当期の配当等」には転記は不要となるのでしょうか.前期末配当等も当期末配当等もどちらも空欄?
別表3の前期末配当等欄も当期末配当等欄もどちらも中間配当額の記載はしませんので、空欄としてください。
上記の理由は、まず、会計と留保金課税(税務)の配当の社外流出としての認識時期の違いを理解する必要があります。
会計は「当期に行った配当」を当期の配当とし、一方税務では、「当期を基準とする配当」を当期の配当とします。
いわゆる「前期末配当」は、「前期を基準とし、当期の株主総会の決議を経て、当期に行われる配当」ですので、会計では「当期の配当」、税務では「前期の配当」となり、認識がズレます。
別表4の「当期利益」欄は、会計上の当期純利益を書くこともあり、会計の考え方が反映されているため、社外流出欄には「当期に行った配当」を記載します。したがって、通常、「前期末配当」をここに記載することになります。その結果、別表4留保欄最終値は「前期末配当」が差し引かれた金額となっており、その金額が別表3の「留保所得金額」欄に飛びます。
別表3では、税務の考え方で留保金額を算定するため、配当の認識のズレを調整するよう、「留保所得金額」欄の金額に対して、「前期末配当等」欄に記載の金額を足し戻し、「当期末配当等」欄に記載の金額を引くということを行っています。
ここで、中間配当は、「当期を基準とし、当期に行った配当」であるため、会計と税務ともに「当期の配当」とされます。
したがって、別表4社外流出欄に「当期の配当」として記載しますが、税務でも「当期の配当」という扱いのため、別表3において、配当の認識のズレの調整の記載をしないこととなります。
本投稿は、2021年04月21日 16時58分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。