非居住者への給料
お世話になります。
当社(日本法人)の役員の一人が海外へ移住し、住民票も移しました。
今後は、リモートなどで従業員に指示し、采配を振るってもらうことになりました。
この場合、給料を月50万円払うのですが、源泉徴収は20.42%ということを聞き、少し驚いています。
租税条約のようなものは締結している国なのですが、適用はありますか?
その役員は日本へはめったに帰国しないと思います。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答

安島秀樹
役員は国内給与扱いというのは国際ルールみたいです。どこの国もそうです。
ありがとうございます。ということは、源泉徴収はどのようにすればいいのでしょうか?

安島秀樹
こうするみたいです。
所得税法上、非居住者に対して給与(役員報酬を含む)を支給する者は、その支払いの際、国内源泉所得について20.42%の所得税及び復興特別所得税を源泉徴収し、原則として、その徴収の日の属する月の翌月十日までに国に納付しなければなりません。
ただし、給与の支給人員が常時9人以下の源泉徴収義務者は、源泉徴収した所得税及び復興特別所得税を、半年分まとめて納めることができる特例があります。これは納期の特例と言われ、この特例を受けていると、その年の1月から6月までに源泉徴収した所得税及び復興特別所得税は7月10日、7月から12月までに源泉徴収した所得税及び復興特別所得税は翌年1月20日が、それぞれの納付期限となります。
一般的には、非居住者に対する報酬等の支払いに係る源泉徴収は納期の特例の適用対象外です。しかし、非居住者に支払う給与については、この納期の特例が適用できることとされています。この特例を受けるためには、所轄税務署長に対して「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書(以下、納期の特例申請書という)」を提出することが必要です。税務署長から納期の特例申請書の却下の通知がない場合には、この納期の特例申請書を提出した月の翌月末日に、承認があったものとみなされます。この場合には、承認を受けた月に源泉徴収する所得税及び復興特別所得税から、納期の特例の対象になります。したがって、納期の特例申請書の提出月に源泉徴収した所得税は特例の対象にならず、原則どおり源泉徴収の日の属する月の翌月十日までに納付することになるので気を付けてください。
なお、非居住者の給与について源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税を納付するときには、「非居住者・外国法人の所得についての所得税徴収高計算書(“マル非”の納付書)」を使用することになります。(Y.M.)
本投稿は、2024年01月12日 10時54分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。