開業費を計上する際の「税区分」について
現在、会計ソフト freee を使用して開業費の仕訳を入力していますが、
各仕訳の「税区分」をどれにすべきか分からず、相談させていただきました。
■前提条件
・ 個人事業主(白色申告)
・インボイス未登録(免税事業者)
・開業日:2025年4月1日
■開業費の内容
・2025年3月1日:コピー機 30,000円を開業前に購入
※コピー機以外にも、複数の備品・消耗品を開業前に購入しております
・開業費の合計金額:50,000円
■仕訳案(税区分について教えていただきたいです)
① 開業費(コピー機)の計上
計上日:2025年4月1日(開業日)
借方:開業費 30,000 /貸方:元入金 30,000
★借方税区分:?
★貸方税区分:?
② 開業費の一括償却
計上日:2025年12月31日(年度末にまとめて償却)
借方:開業費償却 50,000 /貸方:開業費 50,000
★借方税区分:?
★貸方税区分:?
■補足:freee で選択可能な税区分一覧
・課税売上10%
・課税売上8%(軽)
・課税売上8%
・課税売上
・課対仕入10%
・課対仕入8%(軽)
・課対仕入8%
・課対仕入
・対象外
・不課税
・非課売上
・非課仕入
開業費の計上時および償却時の借方・貸方それぞれの税区分は、どれを選択するのが正しいでしょうか?
正しい区分をご教示いただけると助かります。
どうぞよろしくお願いいたします。
税理士の回答
山口勝己
freeeでは、免税事業者として入力していても、税区分の項目が出てきますよね。わたしも邪魔だなぁと思っているのですが、もしかすると、後日課税業者になってもすぐ適用できる為なのかもしれませんね。
さて、開業費は、実際に支出した日付で支出した相手勘定で入力します。
「取引入力」で入力されているのだと思いますが、相手勘定に元入金って出てこないですよね。現金か、プライベート資金になると思います。
税区分は、課税仕入10%になります。
開業費自体は、固定資産登録の画面で確認すると、勝手に12月に償却してくれますよね。今年償却したい金額を編集することもできるはずです。
長谷川文男
ご自身が免税事業者であるならば、税区分はどれでも大丈夫です。
なお、経理方法は税込経理にしてください。
課税事業者なら、借方の開業費のみ、課対仕入で他は不課税です。
借方:開業費(課対仕入10%) 30,000 /貸方:元入金 30,000
※ 普通の仕事であれば、課対仕入=課税売上対応の課税仕入です。
非課税売上のある仕事なら、共通仕入10%などもあり得ます。
例えば、身体障害者向け物品など消費税非課税のものを製造しているなどです。
山口勝己
freeeに特化した入力方法は、以下のとおりだそうです。
開業前に支払った開業費の入力方法についてご説明します。
開業前に支払った費用は、「開業費」として「開始残高の設定」で登録します。以下の手順で入力してください。
https://support.freee.co.jp/hc/ja/articles/202847280--%E5%80%8B%E4%BA%BA-%E9%96%8B%E6%A5%AD%E8%B2%BB%E3%82%92%E5%85%A5%E5%8A%9B%E3%81%99%E3%82%8B
## 開始残高への開業費入力手順
1. 「その他設定」→「開始残高の設定」をクリック
2. 「開始残高を編集」をクリック
3. 借方に「開業費」を追加し、開業前の経費合計額を入力
4. 「保存」をクリック
## 固定資産台帳への登録
開始残高への入力後、固定資産台帳にも同じ金額を登録する必要があります。
1. 「確定申告」→「固定資産台帳」をクリック
2. 「+固定資産を登録」をクリック
3. 各項目を適宜入力
4. 「登録」をクリック
開業費の計上時には、内容によって消費税区分が異なってきます。
上記のコピー機のケースでは、課対仕入10%とします。そのほか、たとえば租税公課の内容のものがあれば区分し非課仕入としてください。
なお、償却時は、不課税になります。
みなさま、丁寧にご回答いただきありがとうございます!
会計ソフト freee での開業費の帳簿付について、再度質問させてください。
■前提条件
・個人事業主(白色申告)
・インボイス未登録(免税事業者)
・仕訳方法:freeeの「振替伝票」機能を使い、複式簿記と同じような形で仕訳を行っています。開業費も借方・貸方で記帳するなど、複式簿記の形式で仕訳しています。
※複式簿記で仕訳している理由は、仕事上で一部特殊な仕訳があり、単式簿記では処理しづらいためです。
・開業費について:実際に開業前に購入したものは、マウス・コピー機・本・参考資料など、個別金額は200円〜35,000円程度です。
■仕訳案(自分が希望する方法)
(例)・開業日:2025年4月1日
・購入日:2025年3月1日、コピー機 30,000円
・開業費合計額:50,000円
① 開業費の計上(コピー機)
計上日:2025年4月1日(開業日)
借方:開業費 30,000 /貸方:元入金 30,000
★借方税区分:?/貸方税区分:?
② 開業費の一括償却
計上日:2025年12月31日(年度末にまとめて償却)
借方:開業費償却 50,000 /貸方:開業費 50,000
★借方税区分:?/ 貸方税区分:?
■補足
・freeeの推奨方法は「開始残高に開業費を入力 → 固定資産台帳に登録 → 償却」ですが、私はこの方法は使わず、以下の方法で処理したいと考えています。
>開業費の計上:開業日を計上日とし、購入ごとに取引を記録
>償却時:開業した年の年末に、開業費の合計額を一括で償却
■質問
・いただいた回答を見ると、課対仕入10%・不課税・非課仕入など意見が分かれており、迷っています。
つきましては、上記の方法で仕訳した場合の、
1. 開業費計上時の、借方・貸方の税区分
2. 一括償却時の借方・貸方の税区分
を教えていただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
山口勝己
課税非課税について
あなたは免税事業者なのですから、購入されているものはすべて税込みです。将来あ、課税事業者だ?って事が無い限り、入力段階での選択はあまり影響してきません。課税仕入れ10%で行って大丈夫です。たしかに税金とかがあれば別ですが、示していただいてものはすべて10万円以下の消耗品なので、課税仕入10%を選んでください。
① 開業費の計上(コピー機)
計上日:2025年4月1日(開業日)
借方:開業費 30,000 /貸方:元入金 30,000
★借方税区分:課税仕入10%/貸方税区分:対象外
となります。
開始残高は設定しないという事ですか?なぜ?貸借対照表が関係ないからということですか??
期末の開業費は
減価償却費 00対象外 / 開業費 00対象外となります。この金額は自由に設定できます。任意償却なので。
開始残高設定すれば、freeeが勝手にやってくれますし、通常時の入力も、収入・支出形式の詳細登録の方が簡単ですよ。freeeの場合。。。
この度は丁寧なご回答をいただき、誠にありがとうございました!
税区分の考え方や仕訳の取り扱いについて大変勉強になりました。
教えていただいた内容を参考に、freeeでの処理を進めていきたいと思います。
改めて御礼申し上げます。
山口勝己
参考になってよかったです。よろしくお願いいたします。
本投稿は、2025年11月26日 13時41分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







